形副詞



形副詞(yue)


形副詞とは形容詞と副詞の混成で、形容詞と副詞の意味を持つ
名詞や動詞の後に接続詞のaやiを付け、そのあとに不定詞を置くことによって形副詞となる
aが能動の意味、iが受動の意味を示す

動詞の動詞媒介や時相詞と違ってa,iは省略が可能である。というよりふつうは省略する
したがって形副詞と名詞の区別は形態論でなく統語論で判断されるものであるといえる
尚、省略されるのはもっぱらiのほうで、こちらが無標である。iならまず省略という傾向がある

形副詞は後置修飾だが、例外がある
たとえば強調のcaは前置される。また、基数も前置される

[ova]
・形容詞
fin tas(大きい男) fin i tasでも良い
fin vem (怖がる男) fin i vemでも良い
fin a vem (怖がらせる男)

・副詞
lef-e tax(速く走る) lef-e i taxでも良い
teez-e a melas (気持ちいい風が吹く)
bad-e avn omi(ドアを強く叩く) avnが副詞でomiが対格
形容詞も副詞も被修飾語の直後に置くのを忘れないこと

・前置修飾
varfant,ca freian(剣士ヴァルファント) Jack The Ripperみたいな用法
4 miik(りんご四つ)

・格を持つ形副詞(難解なので飛ばしてください)

形副詞はa,iという接続詞を介すことによって格を持つ。aは能動なので主格を表わす
接続詞のaは形副詞に主格という格を与える
主格と対格は良く使うのでa,iと短くなっているが、それ以外は格にisという接尾辞を使うことによって体系的に格を与える

isは形副詞と被修飾語を繋ぐ接続詞を作る接尾辞である。格詞に付ける
といってもulにはa、onにはiを使う。それ以外の格詞には体系的にisをつけるだけで良い
たとえばkaはkais、imはimisのように
つまり全ての格詞を手軽に形副詞専用の接続詞に変えてしまうわけである

fan a tas,fan i tasの被修飾語の格はul,onだが、afdev(暑い夜)は元の文中の格だとulでもonでもない。imである
なぜなら元の文がafdev imat em xepmok-e or(寝苦しい暑い夜)だからである
したがってafdevが持っている格はim格であると考える
即ち、imにisをつけてimisにし、kinna imis afdev(暑い夜の苦しさ)とする
但し、a,i同様、is がつく接続詞も省略可能であるし、その上これらは事実上殆ど使われない

・定義副詞(殆ど使わないので飛ばし)

deaという副詞は繋辞の後に付き、その繋辞が主題と叙述を繋ぐことを表わす
逆にdeiは繋辞が主題の定義をしていることを表わす

an it efa(私は風邪だ)は主述の関係にあり、私=風邪ではない。la it am?(彼はどこ?)も同じである
その場合deaを用いて、an it dea efaという
一方、tu et miik(これはリンゴだ)の場合は定義である。そこでdeiを使って繋辞が定義であることを示す
たとえばtu et dei miikは、これはリンゴであるという定義になる

尚、an et dei efaはウィルスを擬人化し、「私は風邪だ」という場合である
因みにこの副詞はどちらも普段は省略する。叙述なのか定義なのかは文脈で判断するからである

・形副詞の順番

修飾する語が複数の場合、具体的・客観的なことから抽象的・主観的なことの順に述べるのがふつうだが、厳密な序列はない
[ova]
fian lu et ser/lijm/ank (その少女は背が低くて、あどけなくて、可愛い)

・形名詞(文法論につき、学習には不要)

繋辞の後に来るコト語は形容詞の意味を持った名詞であり、動名詞ではない
また、繋辞だけでなくeks-eのような定義動詞もコトがonに来る場合、それは動名詞にならない
定義動詞のonにコト語が来る場合、それは文法上は名詞だが、意味上は形容詞である。
ゆえにそれを形名詞という。しかもこれはa形容詞ではなくi形容詞からきている
形名詞とは要するに別項で述べたona(先天完了自然名詞)のことである
形名詞はi形容詞句の略と考えることもできる。即ちan it xo i sorのxo iが省略されたものと考えることもできる
ただ、いずれにせよan it sorのsorは名詞であり、中でも特に形名詞(=ona=先天完了自然名詞)という

・格を持たない形副詞

形副詞にはalxa(~というもの)など、aもiもないものがある。つまり格を持たない形副詞である
alxaなどは形容詞としてしか使われない
尚、alxaは修飾語が全体にかかることを意味する形容詞である
[ova]
miv alxa et fuo(子供というものは残酷なものだ)
miik alxa har et atx (リンゴという赤いものは全ておいしい)青リンゴを排他していて、青がおいしい可能性を無視
miik har alxa et atx (赤いリンゴというものは全ておいしい)青リンゴについては何も言っていないので青がおいしいかもしれない可能性を示唆

これと似たものにxavがある。これは初出や未知を表すが、言及したくないものについても使う
alsia xav xa-e arbazard(アルシアというのがアルバザードにはある)初出・未知の用法
an sin-e fenzel xav(俺はそのフェンゼルなんて奴は嫌いだね)言及したくない嫌悪感を示す用法

・副詞の繰り越し

副詞は動詞の直後に付くが、後に繰り越すこともできる
その場合は格詞句になり、副詞の前に格詞のraxが付く
an lef-a tax pon(私は速く道を走った)→an lef-a pon rax tax

繰り越しても特に意味は変わらない
taxという副詞の能受を表す場合、つまりa taxかi taxかを明確にする場合、taxは変えない
代わりにraxの前にaかiを付け、arax,iraxなどとする
上の場合、taxは受動なので、an lef-a pon irax taxという
ただ、ふつうはそこまで細かく言わないので、raxしか使わない