英語教育のせいで態は重要視されがちですが、誰を視点として述べるかということを態が主に表すのであれば、
別にそれは倒置や強調で明確にすればいいだけのことであって、必ずしも態は持たなくても良いと思います。

たとえば受動態は主語と目的語を入れ替えて動詞を変えて表現することが多いですが、
どれが主格でどれが対格かハッキリしていれば、動詞を変化させなくても倒置だけで視点人物を表現できます。

それと、私は日本語に受動態という区分は必要ないと考えています。
主題を表示する格は能動文と変わりませんし、動詞に助動詞が膠着するだけです。
受動文というのはあっても受動態を認める必要はないでしょう。

尚、どの言語でも受動文では動作を受ける人が文頭のほうに来るのが普通ですが、これは合理的です。
誰がされたかということを述べる文なので、その語が最初のほうに来るのは自然です。

serixは主述型の文法体系ではないので、英語と似たような受動文になります。
でも「主語+be動詞+過去分詞+by+動作主」という英語の構文は複雑です。

そこで受身を表すwm(<come)を副詞の位置で使って簡単に表します。
wmは必ず動詞の直後に来ます。構文は「主語+動詞+wm+動作主」になります。byは要りません。
尚、自動詞文は受動文にできません。

例:ypl iit wm yu(リンゴが貴方に食べられる)


使役文は英語やアルカのように使役動詞を使う場合がありますが、serixでは別の方法にしてみましょう。
英語やアルカの使役文の欠点は使役者が使役動詞の主語になるため、被使役者を焦点付けられないところです。
要するに被使役態が無い。誰がさせるのかより、誰がさせられるのかのほうが大事な局面だってあるわけです。

そこでserixでは使役者を表す前置詞letで使役文を表します。これは前置詞なので語順に注意です。動詞ではありません。
例:do breik dix(君は皿を割った)*dix(dish)
例:do breik dix let xe(彼女は君に皿を割らせた)

「でも、使役文ではふつう使役者が焦点化されるんじゃないの?」
確かに。その場合、前置詞句を前に倒置して強調しましょう。
例:let xe, do breik dix(同上)
尚、倒置は倒置したいものを文頭にあげ、カンマを打つだけです。

このように、前置詞で使役文を表すこともできます。

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