語彙
語彙は後験語の場合、自然言語から取るといいでしょう
世の中に広く流布しているラテン語やギリシャ語や漢字を参考にするのも手です
一方、人工文化を踏まえている場合、2つにパターンが分かれます
1つは地球上のどこかに人工文化を作る場合
たとえばフランスの領土の一部を借りて、ある人工言語と人工文化がある人工風土を作ります
この場合、周辺諸国の語彙を取り入れるのがその文化の歴史から見て当然です
また、その言語を比較言語学的に印欧語の中に入れるのも忘れてはなりません
その言語の和語は印欧祖語から来ていることになるので、語を作るときは印欧諸語を参照にします
もう1つは異世界を想定する場合
この場合、ゼロから言語を作るため、語彙もゼロから作ります。参考にするものは何もありません
そこで、どうやって語を作ればいいかという問題が起こります
方法のひとつとして、その言語の音象徴を作るというのがあります
そして音象徴から語をいくつか作り、それを基に他の語を増やしていくという方法です
元の語が数百くらい音象徴で作れてしまえば、後はそれを元に増やしていきます
ただ、同じ音象徴を持つ語は意味も音も似てしまうため、聞き取り時に混乱を招きます
したがって、聞き間違いがないように適度に語形をずらす必要があります
基本語ができたら、語彙は合成語で作るのがいいでしょう
フランス語のように合成語を嫌う言語は辞書が引きにくいです
ドイツ語は複合語が多いので、その点では辞書が引きやすいです
が、ドイツ語も分離動詞の点では辞書が非常に引きづらいです
ドイツ語の分離動詞や英語の句動詞は避けたほうがいいです。そうでないと辞書が引きにくくなります
一方、合成語は語が長大になるという欠点があります
そこで、頭字語などを駆使してできるだけ短く語を表現する必要があります
また、新語についてですが、作業を行う人数が1人のときは新語ができてもすぐに改定できます
ところが人数が増えてくると、新語ができたり修正が行われたりしてもすぐには改定されません
誰かが改定に対応せずに古い語を使うということを繰り返すと、やがて言語は分化していってしまいます
そのため、できるだけ言語が固まるまでは周りにその言語を流布するのは止めたほうがいいでしょう
前へ
次へ
目次に戻る