人工文化を作るとき、優先して作るべきことがある。文化のすべてを作るのは数人では不可能だし、100年程度の寿命では不可能だからだ。
例えば天文と化合物なら、前者を優先すべきである。言い換えれば天文は化合物より文化的優先度が高い。

星座は神話と結び付いていることが多い。天文学は古くからあり、民間にも知られている。どこの国でもそうだ。だから文化や言語に食い込んでいるケースが多い。
一方、化合物はそうではない。フラーレンなどいちいちい命名するなら、先にオリジナルの星座でも命名した方がいい。

天文は文化に関わるから、88星座でなくオリジナルの星座を作ると文化が豊かになる。
例えばアルカでは星座は魔族アデルの居住地および封印の場所という神話設定がある。
また、月の影はアルカでは悪魔シェルテスがいるとされている。
これが慣用句や単語や文章に見え隠れし、言語文化をよりオリジナルなものにする。

一方、フラーレンをオリジナルで命名しても、恐らくそんなにオリジナリティには貢献しない。
フラーレンは生活の中に密かに入っているし、サッカーボールの形だったりして見慣れてはいるが、市井の人間はそんなこと知らないし、言語文化には入ってこない。
同じ学問上の定義や命名でも、言語文化に関わるものはオリジナルにし、関わらないものは地球のものをパクってよろしい。

自分が永遠の命を持っているのならすべてをオリジナルにしてもいいだろうが実際はそうではない。時間は限られている。その中で最大効果を出さねばならない。
従って言語文化に関係ないものからカットしていくのが重要である。

なお、化合物でも日常生活に根付いたものは命名すべきである。
キシリトールやアスピリン(アセチルサリチル酸の商品名)然り。