人工言語にはある程度作る手順がある。
例えばSVOなどの基本語順を決める前に不定量を決めることはない。

そこで、人工言語の進捗表を作成する。
進捗表があればどの順番で言語を構築すればよいか分かる。
また、他の言語を見た時にその言語の進化の段階が分かる。

とはいえ、作る内容が10項目あったときに、作る順序は何通りかある。一通りの手順を作るのは不可能である。
そこで、最初の段階で決めておくべき低レベル、中間の段階である中レベル、これができてれば作りこみが見えるという高レベルの3段階で手順を分類する。
例えば低レベルのものなら、どの順番で作ってもおおむね差し障りがない。ただ、進数と数え方の場合、進数を先に作ったほうが良いので、一応表は上から順番に作っていけば迷わない順序にしてある。
逆に低レベルができていないのに高レベルを作ると、後々作業をやり直すはめになりがちである。

なお、分野と関連技能も設けた。
分野は言語学の目次のようなもの、関連技能は読み、書き、聞き、喋りの4技能である。

(注)作りはじめの表なので、今後思いついた順序で加えていく。項目が思いついたら掲示板で教えていただければ幸いである。

項目 分野 関連技能 レベル 例・補足
音韻 音韻論 全般 使用する音を選択する。手話などなら不要
文字 全般 全般 おおまかに分けて表意文字と表音文字の2種
語彙の出所 意味論 全般 単語はアプリオリかアポステリオリか
基本語順 統語論 全般 SVOにするかSOVにするか
修飾の順序 統語論 全般 big appleかmission impossibleか
品詞 形態論 全般 実は語順や修飾など、統語の骨子を決めてからのほうが何個品詞が必要か判断しやすい
テンス 統語論 全般 何種のテンスがあるか。動詞と絡めて表現しない方法もある。色々試すと面白い
アスペクト 統語論 全般 過合理にしてしまいがち。自然言語のラインナップにない相をつい作ってしまいがち。注意
統語論 全般 能動態と受動態をどう表現するかなど。態のない言語もあり
進数 意味論 全般 何進数を採用するか
数え方 形態論 聞き喋り 粒読みか日本語読みか英語読みか。位取りは何桁区切りか
音声 音声学 聞き喋り 同じ/s/でも日本語の/s/と英語の/s/では異なる。自分の言語の/s/はどの音声だろうか
語彙の分析度 形態論 全般 単語はドイツ語のように複合語が好きか、フランス語のように分析性が高いか
行為動詞と状態動詞 意味論 読み書き 「殴る」と「ある」はどう違うか
位取り 意味論 全般 億、兆、京など、どこまで、どのような体系で作るか
計算 意味論 全般 四則演算はどう表現するか。演算子は接続詞にするか動詞にするか形容詞にするか
不定量 意味論 日常会話で顕著 「さっき」や「あとで」はどの程度の幅を持つか
オノマトペ 形態論・意味論 全般 擬音語のない言語はないので、最低限擬音語は作る。作り方は体系的か否か
単位動詞と累積動詞 意味論 読み書き 一歩歩いても「歩いた」、駅まで歩いても同じく「歩いた」と言えるのはなぜ?
独自のアスペクト 統語論 全般 先験なら独自の、後験なら参照言語以外から参照せずに独自にアスペクトを作りこむ。難しい