イラストに月がよく登場する。
だが、「ん?」と思うことがよくある。

まず、ニコニコ動画に載っているアニメのこのイラストを見てほしい。
何か違和感を感じないだろうか。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm3210296

星が出ていて空が暗い。
なのに月齢26程度の下弦の三日月が出ている。
(26に見えるのは私のPCのディスプレイのせいかもしれない。実は20くらいだったりして……)

だが、下弦の三日月は夜に現れない。
明け方にうっすらと見え、この高さになるころには空は既に明るい。
そして昼には太陽に消されてしまう。

だが、日本の文化では上弦も下弦もあまり意識されず、むしろこういう形になっていれば一緒くたに「三日月」とふつうは呼ぶだろう。
恐らくそこに勘違いの原因がある。
もしそうなら、日本人の天文知識のなさが原因ではない。単に言語が思考に影響を与えたに過ぎない。

アルカの場合、上弦の三日月はaljだが、下弦の三日月はinje。明らかに別物。
日本語の場合、一般人はどちらも「三日月」と呼ぶ。
だから、こういうイラストができる。天文知識うんぬんでなく、恐らく言語の影響。

逆にアルカに慣れている自分はこのイラストがヘンだと思う。
国旗も同様だ。下弦の月が出る国旗が多いが、下弦の月は寝ている間に出ているので、ふつう人間にとっておなじみなのは上弦だ。
アラブ圏にこの手の国旗が多いのだが、なぜか下弦が多い。あれの理由がいまだに分からない。
知らずに間違えているのか、デザインとしてあえてそうしているのか、あるいは本当に下弦なのか。分からない。
注)末広さんによると、国旗は下弦の三日月ではなく新月を表しているそうです。

一方、アルカも日本語も曖昧にしている概念については、やはり「月の時間」同様、曖昧だ。
例えば私は家畜を見てもオスかメスか一切気にならない。

言語は思考にこうも影響を与えるものかと改めて思う。