パリのソルボンヌ大学から北に少し歩いたところにサンミシェル駅がある。
カルチェラタンの入り口とも言えるこの駅には、ジュンク堂にあたる大きな本屋がある。
本のジャンルごとに分館していて、言語学は駅の近く、道路を渡らないところにある。

その地下に言語学の本があるのだが、ジュンク池袋4Fの言語学コーナーよりも広い。
棚は4面。さらに壁1面がまるまる言語学関連。日本人からすれば贅沢な造りと言える。
だが、なぜかザメンホフとエスペラントはなかった。

実はフィンランドのヘルシンキにもエスペラントはなかった。
フィンランドは分かるが、フランスとイギリスは人工言語論争の震源地だった。
そこにエスペラントさえ置いてないというのはどういうことか。

恐らく彼の国では人工言語は過去の産物で、現代の人が読むようなものではないのだろう。
つまり、人工言語の歴史が止まっている。
人工言語の書籍を本屋で手に入れるのは、日本のほうがたやすいようだ。
今のフランス人が日本人より人工言語に興味を持っていないことが伺える。

私はずっと新生人工言語論にあたるものがいくつかの先進国にはあるのだろうと何となく決めてかかっていた。
だが、その候補地に行ってみて意外な状況だったため、もしかして日本はわりと先を行っているのではないかと考えるようになった。
もしかして、新生人工言語論にあたるものは、世界にないのではないか?そんな可能性も見えてきた。
まぁ、少なくともイギリスとアメリカの首都で現地調査する必要があるけど。

差別的かもしれないが、英仏米独になければ、もう世界にはない気がする。
それを調べる方法は、英語で新生人工言語論を作り、広めることだ。
広まれば、それにあたるものがなかったのだろうと推定できる。

英語で作れば英仏米独の人間はおおむね読めるようになる。
英語版の新生人工言語論が広まった時点で、なんていうのかな、止まってる人工言語の歴史の歯車を動かすことなるんじゃないのかな。
小さな錆付いた世界だけど、だからこそ動かすのに力がいる。
新生人工言語論やこのサイトの最終的な目標としては、啓蒙というと偉そうだけど、歴史の歯車から錆を取って動かすこと。

まず、言語論とアルカの知名度を国内で高めたい。
次にユーザーを少し増やしたい。特に女性声。
そして言語論などの英訳。
最後に海外の憩いの場に当たるコミュニティへの参加。