累積と反復は似ていてしばしば区別がつかない。
にもかかわらず、殺すの|○○○○|モデルは累積というよりは反復だと思う者が多いだろう。
殺すと歩くの|○○○○|のどちらが反復かと言われればふつうは殺すを反復というだろう。

だがそれに特に根拠はなく、恐らくほとんどの人が何となくそうしているのだと思う。
これまでは「なんとなく」殺すが反復だと言っていたにすぎないが、この記事によると、定不定の混ざった|○○○○|モデルが累積で、そうでないものが反復になる。
では累積と反復の何が違うか。

アルカでは|○○○○|モデルの継続部分がso onkかsoで示される。
累積の場合、soが無標になり、反復の場合、so onkが無標になる。

つまり「歩く」の場合、累積動詞で使われることが多いので、いちいちso onkとは言わず、soでよい。
だが「殺す」の場合は逆だ。単位動詞で使われることが多いので、反復動詞の継続部分はso onkとする義務がある。
これが累積と反復の違いである。

この違いは日本語にも有効で、日本語では「歩く」で単に累積動詞になれるが、「殺す」は反復動詞になれず、「殺し続ける」という義務がある。