ユティア朝アルバザードに株式会社はない。
(Kakisさんはよくミロク朝というが、アルテナやアルシアに続くので、便宜上ユティア朝としたい)

アルバザードでは協賛企業と中継企業と自営企業の3種に分かれる。

自営:パン屋など、自分の資材だけで経営するもの。一番分かりやすい。
協賛:日本でいう大手株式会社に近い。
中継:中小企業に近い。

アルバザードでは、コンテンツ力を持った企業が「今度はこういう商品を作りましょう」といって公募をかける。
それに協賛したパトロンが金を出し、パトロンとメーカーの間で意見交換をし、商品を作る。
このタイプを協賛会社という。

例えば現代の地球の音楽プレーヤーだとしたらこんな感じ。

「mp3のイヤホンのコード邪魔だなぁ、どうにかならない?」
「じゃあ今度は無線を作りましょう。bluetoothという技術があります」
「面白そうだ、それ作ってくれ。出資するよ。意見交換をしようじゃないか」
「じゃあ企画書を作ってナユに審査を願いましょう」
(しばらくして)
「その技術は実現可能とナユから診断がおりましたので、進めましょう」
(開発、販売)
「売れました。儲けはこれこれです。商品および配当金をお支払いします」
――という流れだ。

協賛出資の特徴は――
1:株券にあたるものがなく、株券を横に売買できない。
2:貯金ではないので元金はまったく保証されない。
3:よく売れれば、ほしかった商品だけでなく、元金以上の配当金が手に入る。
4:年ごとの配当金はない。完成後の売れ行きに応じた利益分配のみ。
5:企業への投資ではなく、プロジェクト単位の投資。
――など。

中継企業というのは、要するにプロジェクトに必要な原材料などを調達する会社だ。
あるいは実験設備を提供する会社であってもいいし、プロジェクトに関わることなら何でもありだ。
下請会社にも近い。

協賛出資の良いところは、年次ごとの配当金で首が回らなくなるというところがない点。
プロジェクトごとの出資なので、かけるほうも狙いが定めやすく、請け負う方もリスクヘッジができる点。
そして何より株式市場で見られるようなマネーゲームに翻弄されない点。売買できないからね。