・近況

リディアがキレてルシアを床に投げた件のその後について。

リディアはクビになったが、後釜が立たず、宙ぶらりんになった。
ルシーラは暫定リディアのまま。公には空位。

俺は仕事があるので無理。
大学時代は年に２回の会議のせいで２カ月間は確実に死んでいた。
正社員＆ルシーラは絶対にムリ。

しかし、多分、実質的なルシーラはまた俺になると思う。
リディアは家業にウェイトを置くようになるだろう。
ますます俺が先方に婿養子に行きたくなくなったわけだ。

かといってリディアも日本が嫌いとのことで、来たがらない。
じゃあこの関係、どうしようかという話に。

妻でもないし、彼女と言っても遠距離すぎる。その上日本に来る意思がない。そのわりにはこっちを好きという。中途半端だ、すべてが。
俺を拘束する権利がないことを自覚しているらしく、俺が再婚することはしょうがないという。しかし、それでも関係は保ちたいという。
それを表わす単語がない。彼女でもない、妻でもない、なんだろう。

リディアはそんな俺のことをdiamir「夢の中の夫」と呼んだ。
あぁ、それでいいんじゃないかということで、男女関係なくこの関係にあるものをdiamirと呼ぶことにした。

・アルカに関する影響

まだ何とも言えない。
だが使徒は大人になって独立しており、生計も立てている。

リーザ先生はもはや子供を使った実験を終えているので、あまり使徒に興味がない。
一方リディアは「アルカの園」計画を実行するために使徒の子供を利用しようとしている。

他方、俺はアルカを精神的なよりどころとして生きている。
「アルカ苑」には興味がないが、ライフワークとしてのアルカには興味がある。
その共通部分がどうも俺とリディアの落とし所のようで、まだ関係は続く。

現状アルカをリアルに使っているのはリディアとその周辺。あとはソーン。
ソーンが解体すれば、ほぼ数人にとどまる。リディアにとっては純化が進むので、かえって好都合らしい。

なお、リディアは俺のルシーラになる案を一番否定している。
俺がルシーラになったらネットでの活動を認め、Kakisさんたちが以前造語したものを認めるように流すからだ。
俺は開けた芸術志向のアルカ、リディアは閉じた実用志向のアルカを見ている。そこに齟齬がある。
共通部分と齟齬がある。そこが難しいところだ。ちなみにルシーラは繰り返すが、空位だ。決まるとすればメルセル。

・浮気の件

メルが告白し、すべてが終わった。
メルはハッキリ言ったわけではないが、「19歳という付加価値があるうちは、浮気されても我慢して。あと数カ月たったらメルには興味を失うようになるよ」と言ったらしい。
その告白のせいで事態がこのように進んだ。皮肉にも。

・勇太貯金の件

床と言ってもルシアは柔らかいところに投げられたらしいが、それでも危険を感じた俺は、ルシア貯金を殖やすことにした。
彼女が最も危険な状態にあり、最も俺が引き受ける可能性が高いからだ。勇太はかわいそうだが。
リディアよりは蛍のほうがまともだ。万一のことを考えるなら、勇太でもユルトでもなくルシアだ。
なんてかわいそうな娘なのだろう……。俺が育てたいのに……。日本で学校に入れて、人並に公立に行かせて、友達作らせて専門にでも行かせて、早々手に職つけさせてあげて、20くらいには結婚させてあげたいなぁ……。