ねこにっきを描いていて、怒りマークと怪我のマークをどうするか考えた。

怒りは血管のほかに、顔が赤いとか、湯気が出るという表現があるだろう。
だが、紅潮すると恥ずかしいのと区別つかないし、湯気は風邪っぽく見える。
ほかのものと誤解がないという意味で、血管はよくできている。

しかし青筋も一本線だと皺に見える。
そういうわけで「井」みたいな形が適切。

アプリオリでゼロから表現技法を作ろうと思っても、上記のように考えていくと、いずれにせよ日本と同じ表現に行き着くことが多い。
ということは、日本の漫画はよく練られているということだろう。
流行ってる表現技法には、それなりの合理的な理由があってそうなっているようだ。

そこで思ったのだが、どうも漫画は人工言語ほど差異が出にくいのではないか。
人工言語はSOVをSVOにしたりと、根本的なところから違ったものを作れる。
その結果、どちらが使いやすいとかいうことはない。

だが漫画の場合、わりと合理的な選択が限られるように思える。
従って、合理性を追求すると、バリエーションは言語より狭まる。

ちなみに怪我マークはタンコブや絆創膏などがあるだろう。
タンコブは生々しいので絆創膏にしたが、これも十字架マークにした。
たとえば横長一本線だとカプセルに見えてしまう。