人工言語が単に情報のやり取りに使われるのなら、親族名詞など機械的に決めればいい。
「○親等」「男女」「長幼」といった要素を組み合わせていけば、体系的に作れる。
とても覚えやすく、無駄のない造りになるだろう。

ただ、もしある人工言語が心を表現したいなら、その限りではない。
「父」のような標準的な言い方だけでなく、「お父さん」のような愛称や、「オヤジ」のような低俗な言い方があってこそ、表現力が豊かになるというものだ。
日本語にせよ英語にせよ、親族名詞にはバリエーションが多い。それだけ家族は日々の生活に関わるからだ。

アルカは表現力豊かな言語を目指しており、親族名詞は3種類ある。
標準と愛称と低俗に分かれる。細かい語源とかは辞書に譲るとして、表を載せる。

標準 愛称 低俗 その他
laal maal bemma mama(ママ), beema(ババア)
kaan kakka bekka papa(パパ),beev(ジジイ)
息子 noi xino saman
miva miia lanon
祖母 edat edan bedat
祖父 fio fiona bio
孫娘 hana naana bana
孫息子 aliiz aliina balz
eeta etta betta
amel limel belme
alser etto balse
aruuj lyuuj barj

なお、表のうち、古からあるのはetto, ettaだ。
兄弟を表す愛称は古からあったことになる。メルがいたからだ。
親関係が希薄なのは、親のいない人が多かったからだ。