・disment

思うに、貴重品ってのは金庫に入れとくと盗られてしまう。
なので、いっそ偽の指輪の海の中に本物を放り込んでしまうというのはどうだろう。
木の葉を隠すならなんとやらだ。

僕の場合、中学の時からこの発想だ。
といっても当時は厨房なので、まぁリディアたちのことくらいしか秘密にするようなことはなかったけど。

最初はアルカで書いておけば暗号になると思い、鍵付きの引き出しにノートを入れておいた。
しかしソーンからすれば、引き出しのカギなんて壊せばいいし、アルカも解読できる。

それじゃ暗号の意味がないなぁと思い、思いついたのが、紛らわしい情報を作るというよくある作戦だ。
思いついたというか、厨房たちが頭をひねって考えた結果なんだけど。

で、具体的には「それっぽい嘘日記」を作るわけ。本物の日記とは別に。
あるいは本物の日記の中に嘘を意図的にばらまいておくわけだ。
例えばあったことをなかったことに、いなかった人をいたことに、その逆も然り。

もうひとつの方法は本当の出来事を神話や小説的なファンタジーに変えて書くというもの。
この場合、読み手はお話だと勘違いするので、結構使える。
実はアルカの神話であるアティーリは元々このコンセプトから発展している。

このように、3種の方法で「それっぽい偽物情報」を作る。そういうのをアルカでdismentという。
dismentっていかにもアルカっぽい単語でしょう?でも、この単語自体がdismentなんだな。
何の意味も語源もない単語。ただ「それっぽくでっちあげた」だけの単語。

このdismentだが、手法に慣れたので、今だにやっている。
今はパソコンで日記を書けるので、dismentは作りやすい。
ネットに繋げないローカルのPCにアシェット関係や日記や会社のまずい情報なんかを入れておく。
で、日記とかはコピペして、一部を改竄してオンラインのPCに入れておく。

dismentっていうのは人間の心理をついた隠し方だと思う。
あるはずの日記や資料がないと人間は訝るし、金庫があれば開けようとする。
でも、逆に一度見つけると安心しちゃって、それ以上は考えない。
ましてちょっとパスワードとかかかってると、その内容がdismentなのに本当だと信じてしまう。
心理ですねぇ。

で、なんで急にdismentの話かっていうのはリアル知人でないとイミフだと思いますが……。
まぁ……フゥシカとかリディアとかその辺の兼ね合いです。
あぁ、雑然とした日記になってしまいましたわ(-_-; すみません。