・アクセントが自由アクセントに

以下、辞書からの抜粋。

caf
[言語]アクセント、強勢
[音楽]アッチェンタート
19:ca/fo
[文化]
古アルカは自由アクセントだった。セレンはセが高いがフルミネアはミが高い。
覚えるのが面倒なので制では第一音節にアクセントを拘束した。不定詞が名詞にも動詞にもなるため、この区別をするために、動詞は時相詞をつけてその時相詞を高く読むことにした。こうして動詞だけ後ろが高いというアクセント形式ができあがった。
新生になって時相詞が消えたので、すべて第一音節にアクセントが置かれるようになった。しかしこれではアクセントに弁別性がないのでアクセントとしての必要性がない。
こうして新生は自由アクセントになり、「断りがなければ最初を高く読む」という仕組みになった。
フィンランド語のようにこのまま第一音節にアクセントを拘束する道もあるだろうが、元々自由アクセントの言語だったため、そうはならなかった。
自由アクセントなら固有名詞をきちんと読みたいという要望が出てきたため、アクセント体系が復活した。
かといって単語ごとにまちまちなアクセントだと覚えづらいので、法則を立てることにした。

この流れでモーラが復活した。
アルカでは音は「音素→モーラ→音節→形態素→単語」の順に大きくなっていくと考えている。
音節=モーラなら言語構造が単純になるため、プロトタイプ制ではモーラ=音節にし、CVしか認めなかった。
しかしCVでは多くの固有名詞を発音できなくなるので、音節を採用してプロトタイプは終わった。音節を採用した反動でモーラの概念はいらなくなった。
新生でアクセントの法則を作るときにモーラの概念が必要になり、モーラが復活した。
アルカのモーラは伝統的にCVである。日本語は「ん」を1モーラにするが、アルカではnqであり、「ん」だけで1モーラにはならない。そのため日本語より単純なシステムになっている。

arbazardという単語を分析する。
音素:a r b a z a r d:8音
モーラ:a rq ba za rq dq:6モーラ
短音節:ar ba zar dq:4音節
長音節:ar ba zard:3音節

音節には長短がある。短音節ではCVCを基礎とし、CVCCなどはCVC/CVとする。
長音節ではそのようなことがなくCVCCのまま音節とする。
この区別は歌によって生まれた。歌詞を割り当てるときに、1音符に1長音節を当てはめると歌いづらいため、音節を区切って割り当てた。これが短音節の由来である。
また、歌だけでなく、ゆっくり喋るときの言い方から生まれたと考えるメンバーもいる。ゆっくり喋るときにar/ba/zar/dqと区切って喋ることから短音節が生まれたという考え方である。セレンもこちらに賛同している。

さて、モーラを持ち出したのはアクセントの法則のためであったので話を戻そう。
アクセント法則は以下のとおり。1が一番強い法則である。

1:最後から3番目のモーラにアクセントを置く
2:最初のモーラにアクセントを置く。
3:最後のモーラにアクセントを置く。
4:最後から2番目のモーラにアクセントを置かない。

arbazardの場合、zaのモーラにアクセントが置かれる。
fulmiiaの場合、fu lq mi i aであるから、miにアクセントが置かれ、古アルカと一致する。
cuukiiteの場合、cu u ki i teであるから、kiにアクセントが置かれ、古アルカと一致する。
astenotの場合、a sq te no tqであるから、teにアクセントが置かれる。

qを含んだモーラにアクセントが場合、そのモーラを含む音節にアクセントが置かれる。
ardiaの場合、a rq di aで、rqにアクセントが置かれる。音節にするとar diaであり、rqはarの音節に含まれる。よってarにアクセントが置かれる。asterなども同様である。
同様にfrestiaの場合、fq re sq ti aとなり、アクセントはsqに置かれる。音節にするとfres tiaなので、reにアクセントが置かれる。
kwinの場合、kq wi nqなのでkqに置かれるが、音節にしたときに母音がiしかないので当然ここにアクセントが置かれる。

元々3モーラ以上ない単語は1番が適応できないので、2番が最高位になる。kaxiの場合、kaにアクセント。

モーラがVのみからなる場合、アクセントは前のモーラに移る。
例えばteemsはte e mq sqなのでeにアクセントが置かれるが、Vのみなので、teにアクセントが移る。

ほとんどの単語は1と2で篩えるが、古アルカの単語には変わったアクセントのものがあるので、それを篩うために3と4がある。
artenaやverginaなど(なぜかnaで終わる単語に多いような)、古アルカや古アルカを基に作られた単語のうちのいくつかは、最後にアクセントを持つものがある。
ただしこれはアルバザード人によってもまちまちで、arやverにアクセントを置くものもある。

アクセントの法則は固有名詞から始まったものだが、口に乗りやすいとの理由からか、あるいは整合性を持たせるという理由からか、一般名詞にも及んでいるようである。
vergveit(融資の貸し剥がし)はモーラだとve rq gq ve i tqなので、後のveにアクセントが置かれる。

また、上記の法則とは別に、接頭辞は強く読まず、その次を強く読むという法則も観察される。
顕著なのはalであり、alamitiなどはamitiのaの部分が強い。このため、al amitiとの区別が付きづらくなった。(ポーズが置かれるので、区別がつかないわけではない)

化合物のようなとても長い複合語の場合、途中で区切って、複数アクセントを置く。第一次アクセントのほうが二次より高くなる。

なお、アクセントは母音の上にアクサンテギュ様の記号を付けて表すことができるが、日本語と同じで通常記号を付けない。

新生は審美を重視している。拘束アクセントは学習効率を重視しているため、しばしば言いにくい単語を作る。
新生では音がどのように聞こえるかで造語することが増えたが、どんなに音を良くしようと、アクセントが合わなければ台無しである。
そのため、ちょうど自由アクセントになった事情を活用し、アクセントも綺麗に聞こえるものを選んでいこうという考え方にシフトしていき、この法則に至る。
なお、この法則は古アルカのアクセントを復古させようというのが主眼で、フルミネアが提案したものである。古アルカのアクセントを集計し、自身で法則を立てた。
カーデの作者フルミネアが古アルカを好んでいたことは周知の事実だが、それ以前に制や新生では自分の名前のアクセントが異なっていたのが我慢ならなかったのではないか。
セレンやリディアやクミールやリュウやリーザはすべて第一音節が強いので、彼女の不快感は共有できなかった。それゆえ、彼女がアクセントの復古に躍起になったのは理解できる。
そもそもアルシェの中でフルミネアだけが制になってアクセントが変えられた。古アルカでの解釈はful(一)miia(娘)で、長女という意味。彼女には妹が一人いるので正しい。実際の名前もfulmiiaで妹がmiiaだそうだが、その名は自然言語のもの。
fulは接頭辞で語幹はmiiaなので、miiaにアクセントが置かれる。それで、制では彼女だけが元のアクセントを失った。当然元に戻す機会があれば戻したいのだろう。

ところで、なぜ最後から3番目のモーラなのだろうか。最初や最後は分かるとして、最後から3の根拠は何か。
古は自由アクセントといったが、原始的には第一音節の高い拘束であった。laiやnalutaなど、すべて最初が高い。これは恐らくリディアがフィンランド語を母語としていたため。
ただしフィンランド語と異なるのは、接辞が付いた場合、アクセントは接辞には付かずに語幹に付くという点である。上記のfulmiiaなど、その例である。接辞が入ったことで、アクセントは自由に変わったわけである。
さて、接辞が付いた場合、単語の中身は典型的には接頭辞+語幹+接尾辞となる(もちろん、このうち片方しか接辞が付かないものも多い)。
faiやridiaのような短い単語なら最初にアクセントを置いても構わないが、単語が長くなると、たいてい接頭辞+語幹+接尾辞の構造を持ち、モーラにすると平均6前後になる。
このとき、最後から数えて3モーラにアクセントを打っておけば、長い単語についてはアクセントが語幹にヒットする確率が高くなる。
今回のアクセント法則を打ち立てるさい、アシェットから「8年前のことをいまさら思い出すのは覚えなおしと変わらない。面倒だ」と非難を受けたため、フルミネアはどうにか古アルカの再現率が高いながらも簡単な法則を模索した。その結果が最後から3モーラである。
確かにこの法則はよくできていて、短い単語には適応されないし、長い単語はかなりの確率で古アルカのアクセントと一致する。中々便利な法則だ。

・hailen font完成

ミルフのデザインはsとxが気に食わなかったた(serenとluxiaが綺麗に出ないため)。
そこでデザインを作ってミルフに告げたところ、「いいですよ」と快諾を受けたので、ハイレン筆記を少し修正してもらった。
それを受けてフォントを作成したのでアップする。
http://www8.atwiki.jp/arbazard/pages/116.html