セレンの案は法則が多すぎる。人間はもっと簡単な規則で動く。
以下はセレンの案を受けたメルの案。便宜上「我々」には東京弁も含めておく。

<前提>
1:二位Hがなら、二位にアクサン。
2:そうでなければ、三位にアクサン。

この規則を持つと、我々は長い単語「************#」を見たときに#から数える癖がつく。
しかし日常のほとんどの単語は「*」か「**」で収まる。短い場合、上記の法則を当てはめると最初にアクサンが置かれる。そのため、後ろから数える必要がなくなる。
この結果、我々は「短い単語を見たら迷わず語頭にアクサンを置き、上記の前提を用いない」という怠け癖がつく。
そして、「長い単語を見たら面倒だけど後ろからカウントする」という癖が付き、2つの癖を持つようになる。

実際、我々はfain,fianなどは、見た瞬間頭にアクサンを付けている。反応速度は速い。
だが、これがfialentになると「ん、なんか長そうだ。数えるか」と思うので、時間がかかる。
フィアンだと迷わずフィにアクサンだが、アルバザードだと「読みながら目を右に移しつつ、カタカナの終わりが見えたら、終わる2,3個前でアクサンをつける」という処理をするため、反応が遅くなる。
確かに我々は日常的にそうしている。

2つの癖を持っているので、長い方が法則を適応する手間がかかるので、できるだけ短い方がありがたい。
問題はどの程度で長いと言えるのかだ。そして長いと短いの境界線がHMHとMMHなのだ。
MMHはCV/CV/CVCで、amalisのような単語だ。ここがギリギリ短い境界線なのだ。だからamalisはAmalisになる。
一方、HMHはCVC/CV/CVCで、これがギリギリアウトで、長いに当たるのだ。だからalmalisはalmAlisになる。

また、MMHは「ギリギリ短い」という扱いなので、単語全体が長くなってHMMHなどになった場合、「長い」と判断される。
そのため、HMHと同じように、真ん中のMにアクサンが置かれるようになる。lastiAdinはHMMH、fremAzerはLMMHの例。
ただしvalAmalisはもともとAmalisという単語があると脳が記憶しているため、アクサンが動かない。

――以上。
メルの案は「短ければ考えずに頭」「長ければ考えよう」という、彼女らしい発想で、面白い。
これなら人間の感性にも合っている。

ただ、これだけだとhArdian, hardIgan, hardAinは篩えないんじゃないかな。
メルの案だと、27種すべてのアクサンの位置を「長さ」でサクっと片付けられる。ただ、HMHとMMHのアクサンの揺れについては説明がない。
HMHのデフォがMで、MMHのデフォがM1だということは分かるが、非デフォが選ばれる際の理由については述べられていない。そこはセレンの案を使わないといけないということだろう。

だが、これは進歩だ。まず27種をすべてサクっと篩える。
で、非デフォの2パターンだけ後々考えればいい。このやり方はスマートで、人間が処理しうる仕事量だ。