平板化するか否かは人によって違うし、自分の中でもあやふやだったりする。
どうも平板には法則がない。しかしアルテナはほとんどの東京人が平板化するはず。
傾向はあるはずだ。それは何だろう。手当たりしだい調べてみた。

1:語末がCVCVだと起こりやすい。

arbanA,magatAなど。

2:VCVVだと起こらない。

Amai,Anaiなど。

3:語末がCVVだと、CVCVほどは起こらない。

aRdia,aLsiaなど。

4:三位(後ろから3モーラ)が清音連続の場合は平板化しやすい。

estiA,aktakAなど。
エスティアは日本人が読むとestiaとなる。しかしアクサンは本来三位のeStiaに来る。
だがSは子音なので、アクサンを置きがたい。このような場合に平板化しやすい。

4':三位がlt,ldのようになり、間のuを落とす場合は平板化しやすい。

artenaなど。アルテナと発音する日本人は実際にはaltenaと発音している。
lは側面音で、発音後も舌を離さない。そのまま舌を動かさずにtに移行できる。だから間の余計なuが落ちる。
逆にtlは不可能。tで一度舌を弾いてしまうため。

artenaの発音はaltenaとなるので、アクサンはaLtenaになる。が、Lにアクサンは置けないので平板化しやすい。
armivaは日本人が発音するとalumibaになる。uは落とせない。だからartenaよりは平板化しにくい。
アルカの場合、armivaをalumibaと解釈しないので、この限りではない。

4と4'をまとめれば、「三位と二位の間の母音が落ちる場合は平板化しやすい」になる。

5:CVV CVは平板化しない

xIona,fIonaなど。

6:4モーラ前後に平板化は起こりやすい。長すぎると起こりにくい

magatAは平板化するが、仮にfionamagataというのがあったら、fionamAgataになる。

7:CVV CV CVは平板化してもよい

xionanaというのがあれば、xionanAでもよいかもしれない。


検証

arteAは日本人はalteaと発音するので、4'どおり平板化する。
alsiaはls間のuを落とせないので、alUsiaとなる。

arteAとaRdiaは同じ構造だがアクサンが異なる。前者は4'を優先し、後者は3を優先した結果。
ここから分かるのは、4'と3は等価であり、優先順位はないということ。

また、傾向0として「意味の区切れを最優先する」を加えたほうがいいだろう。
そもそもxionaはxionから来ているので、語末がMMでも平板化しない。

展望

まだまだ挙げれば傾向はあるはず。
しかし、たくさんの規則を人間が適応するはずがない。
たくさんの規則を使わない、もっとシンプルな理屈があるはず。
あるいは、これらの規則に基づいて判断しつつ、ふだんは似た単語からの類推で済ませ、労力を減らしているのか?