「〜したい」など、助動詞はフランス語だと連動詞で表現します。Je veux nager(泳ぎたい)のように。
veuxはvouloir(したい)の活用形で、nagerは泳ぐ。
アルカだとan loks lax(泳ぎたい)です。loksが動詞でlaxが希望の副詞。

一方、助動詞と一般にみなされない「〜するのが好き」も、フランス語ではV+Vで表示します。J'adore nager。
アルカだとan siina loksとなり、V+V。

常にV+Vになるフランス語のほうが体系的に見えます。アルカもan lax loksにしたいところです。
しかしそうすると、「泳がねばならない」はan fal loksになります。
falは義務という名詞で、動詞の用法はないので、これは非文です。

アルカの助動詞はようするに副詞なのです。もともと文法的にも副詞ですけど。
ax(〜したほうがいい)、xiel(〜するかもしれない)などと組み合わせて考えると、連動詞にするのは向きません。
axやxielは動詞ではないからです。連動詞にできるのはもともと動詞なsiinaやlaxのみです。

従って、フランス語にならってV+Vの構造で助動詞を表そうとすると、axやfalで困ることになります。
アルカはアルカでうまくまとまっているようで、文法を変更する必要はないようです。
もっとも、最近じゃ僕が「変えたいと思う」と言っても、「思ってろ」と言われるだけなんですが。

ところで、an lax loksは非文ではありません。
an loks laxは「泳ぎたい」で、an lax loksは「私は泳ぐことを希望する」という意味です。
ニュアンスが違います。後者は人に自分の意思を明示するときなどに使います。