知り合いの出版の女の子が地方から来ている。
その子が年収300万きっかりという。ボーナスはこの不景気でゼロだそうだ。
出版なので山手線の内側に住んでいる。
生活が苦しいというので本当にそうなのか計算してみたら、驚いた。

年収はきっちり300万といっていたので月収が額面25万。ボーナスはなし。
手取りが22くらいのはずだから、年間の税金が36万。実質年収は264万。

家賃が1Kと言っていたがあそこだと7.5万くらいだとする。
昼があそこだと周りの定食屋でも1000円はする。
ほとんど会社に缶詰なので、出勤日は毎日2000円弱かかる。休日でも1000円強かかる。
月の食費が約5万。外食は高いね。

水道光熱費等々で1.5万。ネットや携帯で1万。
あと、仕事のせいで体調が体が悪くて医者代がかさむと言っていたな。
まぁ医者代を抜いても15万だ。とすると7万残るはずだが、本人は何も残らんと言っていた。

ともあれ、月15万で年180万の最低生活費だ。働いて生きるだけにこれだけかかる。
とすると264-180で84万しか稼いだことにならない。
車も遊びも医者代も、あと女の子だから服や化粧などもかかるだろうに、それすら加味していない。
加味すると確かに何も残らなそうだ。

一切無駄遣いしなくても住んで食うだけで残金が84万にしかならない。
親元で暮らした場合、180万がまるまる浮く。どう考えても働き損だ。
それでも実家には帰れないという。

さらにその子の場合、交通費が給料に含まれているという。
出勤して食うだけで残金は70万もいかないだろう。ひどい話だ。


彼女は毎日遅くまでいて、12〜14時間は会社にいる。
土日もほとんど来ている。残業はサブロク内で、ほとんどはサビ残。
月の残業が余裕で100を越えるという。

額面25だと時給換算でいくらになるだろう。
22日働いて一日12時間だと264時間。休出が6回で8時間だと48時間。
合計で312時間。これで25万なので、時給801円となる。

税金を取られるので実質の手取りは22万だから、実際の時給は705円となる。
地方のコンビニ並みである。明らかにトラックの運ちゃんのほうがもらっている。

つまり、言い換えれば彼女は地方から出てきて都内で正社員をした結果、
時給705円で月実質22万で、最低限の一人暮らしの生活費が15万かかるということになる。
ただ住んで食うだけで残額7万しか稼がないことになる。
言い換えれば、実家周りで700円のバイトをして月100時間、一日あたり平均3時間強働くのと等しいことになる。

もともと外国で教師をしていたというので、塾に勤めれば時給は1800円くらいだから、
同じ7万を実家で稼ぐのにかかる時間はわずか38時間である。（月7万だと税金かからない）
ちなみに繰り返すが、それと同じ生活を維持するために彼女は312時間働いている。

どう考えても働き損だ。出版も色々なので600万程度稼げば損ではないと思うが、300万程度だと働き損という計算になった。
なお、若者の正規雇用の3割は年収200万台のワープアだ。300万もいれるともっと増える。
ちなみに兵庫だと若年労働者の68%が300万以下だ。しかも年次昇給がほとんど見込めず、年数千円とふざけている。中小はボーナスの出ないところも多い。
一方、老人の預金は1300兆を超える。中年の所得も高く、良い席に居座るため、若者の昇給と雇用が確保されない。ひどい国だ。

ミロク革命のとおり、ひとつのサライの中で就労でき、大家族で住めば、彼女も健康を崩すことがなかったのではないか。
そうできないのは日本の雇用システムとウーマンリブと中央集権が原因であるように思われる。
なんにせよ病んだ国だ。