・異世界の語源学
アトラスは魔法のある世界で、言語が呪文として重用されている。
そのため、様々な観点で地球と異なる言語体系を持っている。
そのため、様々な観点で地球と異なる言語体系を持っている。
ランスロット理論があるため、言語の恣意性は極めて少ない世界である。
そのため、言語の変化は地球より少ない。
そのため、言語の変化は地球より少ない。
また、地球と違って語族がアルテ語族しか存在しない。
しかもエーステ理論があるため、語彙の変化は総じて小さい。
しかもエーステ理論があるため、語彙の変化は総じて小さい。
エーステ理論があるため、声調言語も歌魔法のフレマゼル地方にしか存在しないことになった。
声調言語は語末子音の消失の過程で、消えた子音を指すために発達したというものがよくあるパターンである。
子音が消失すると語形が代わり、別のエーステを示すことになる。
声調言語は語末子音の消失の過程で、消えた子音を指すために発達したというものがよくあるパターンである。
子音が消失すると語形が代わり、別のエーステを示すことになる。
初期はメティオを中国に見立てて声調言語としていたが、声調言語に自然推移する合理的な理由がアトラスにはない。
しかし言語の多様性が少ないのは面白味に欠ける。できるだけアルテ語族だけでも多くのバリエーションがほしい。
そのため、フレマゼルのような特殊な歌魔法文化にのみ有界的に存在させることにした。
しかし言語の多様性が少ないのは面白味に欠ける。できるだけアルテ語族だけでも多くのバリエーションがほしい。
そのため、フレマゼルのような特殊な歌魔法文化にのみ有界的に存在させることにした。
こう見るとわかるように、星全体でようやくひとつの印欧語族程度の広がりである。
しかしこれは古くから神や人が時速50km以上で飛べ、通信魔法を持っていたことからも自然である。
交通手段があり通信魔法が発達している世界では、言語の多様性は必ず小さい。
しかしこれは古くから神や人が時速50km以上で飛べ、通信魔法を持っていたことからも自然である。
交通手段があり通信魔法が発達している世界では、言語の多様性は必ず小さい。
地球と同じ程度の多様性を設定することもできるが、それは単に地球の言語学を引用しただけで、リアルではない。
エーステ理論を取っ払えばもう少し多様性が出るだろうが、エーステ理論はアトラスにおける言葉の重要性と密接に関わっているため、世界観の心臓に当たる部分である。
エーステ理論を取っ払えばもう少し多様性が出るだろうが、エーステ理論はアトラスにおける言葉の重要性と密接に関わっているため、世界観の心臓に当たる部分である。
多様性が少ないということは作業が簡単になるかというと、そうでもない。
言語ひとつあたりの深度が増すので、たいした恩恵は得られない。
むしろ地球の言語学や史学を流用できない分、制作は困難となる。
それが例えば以下の語源学に現れている。
言語ひとつあたりの深度が増すので、たいした恩恵は得られない。
むしろ地球の言語学や史学を流用できない分、制作は困難となる。
それが例えば以下の語源学に現れている。
アルカはおおよそフィルヴェーユ→アルバレン→アルカという発展を取る。
アルバレンはアルカができる前の国際語で、古アルバザード語である。
国際語ということは外来語が多い。
アルバレンはアルカができる前の国際語で、古アルバザード語である。
国際語ということは外来語が多い。
また、アルカはこれをもとに作られ、各使徒の言語を取り入れて作られた。
従って、アルカも外来語が多い。
さらにアルカはアルバレンを基にしているため、外来語が多い。
従って、アルカも外来語が多い。
さらにアルカはアルバレンを基にしているため、外来語が多い。
さて、このような状況で異世界の語源学を考察する。
まず、研究社の『英語語源辞典』の凡例では語形成等について次のように分類している。
まず、研究社の『英語語源辞典』の凡例では語形成等について次のように分類している。
発達と派生を分けているが、これは英語に音的発達が多かったから別の記号を付ける必要性があったにすぎない。
しかしアトラスにはエーステ理論があるため、音的変化は英語より少ない。
英語で大母音推移が起こったからこちらでも起こるだろうという安易な我田引水はできない。
しかしアトラスにはエーステ理論があるため、音的変化は英語より少ない。
英語で大母音推移が起こったからこちらでも起こるだろうという安易な我田引水はできない。
アトラスにももちろん音的発達はあるが、それは晄基配列をアレンジするリムレットという現象である。
しかしリムレットの数は英語の音的発達ほど多くないため、幻幻辞典では派生と発達を別々の記号で分ける合理性はなくなる。
しかしリムレットの数は英語の音的発達ほど多くないため、幻幻辞典では派生と発達を別々の記号で分ける合理性はなくなる。
これが独自に異世界の学問を立てるということだ。
こちらの世界の学問をそのまま当てはめることはできない。
(ただし、ナディア以降は地球と同じく音的発達を考査する余地はある)
こちらの世界の学問をそのまま当てはめることはできない。
(ただし、ナディア以降は地球と同じく音的発達を考査する余地はある)
従って、幻幻においては発達と派生を合流させ、発達に一本化してよい。
その発達の内訳としてリムレットなりをあげればよい。
一方、借入は外来語がたくさんあるので、記号化したほうがよい。
その発達の内訳としてリムレットなりをあげればよい。
一方、借入は外来語がたくさんあるので、記号化したほうがよい。
つまり、最低でも発達と借入を記号化したほうがよいということになる。
順に<, >で転写するとする。
なお、文字コードについてはアトラス独自のものを用意するが、ここでは便宜を図って転写版で記す。
順に<, >で転写するとする。
なお、文字コードについてはアトラス独自のものを用意するが、ここでは便宜を図って転写版で記す。
語源不詳は>?, <?でよかろう。
結合は複合語等を示すので、/。
交替は例えばフィルヴェーユのnahyuがアルバレンでniluuになったものであるが、これはveldiyuである。veldiyuはvで表す。
推定形は語形に?を付与する。
イコールの=は広く用い、同じであることを示す。
結合は複合語等を示すので、/。
交替は例えばフィルヴェーユのnahyuがアルバレンでniluuになったものであるが、これはveldiyuである。veldiyuはvで表す。
推定形は語形に?を付与する。
イコールの=は広く用い、同じであることを示す。
こうして英語語源辞典を利用すると、veldiyuは決まるが、それ以外が埋まらない。
地球には音的発達はあってもlimletがないが、アトラスにはある。
また、kalmiyuも英語語源辞典にはないので、付け足さねばならない。
地球には音的発達はあってもlimletがないが、アトラスにはある。
また、kalmiyuも英語語源辞典にはないので、付け足さねばならない。
必要なのはveldiyu, anklet, limlet, kalmiyuである。
これらをそれぞれv, a, l, kと記す。
これらはもともとその言語から発達したものだけでなく、借入したものにも起こる。
すなわち、>v, <lなどで組み合わせて示すことができる。<lは「リムレットによって発達した」を意味する。
これらをそれぞれv, a, l, kと記す。
これらはもともとその言語から発達したものだけでなく、借入したものにも起こる。
すなわち、>v, <lなどで組み合わせて示すことができる。<lは「リムレットによって発達した」を意味する。
このほかに語形成として複合だったり派生(派生語の派生)だったり、略語だったり頭字語だったりといったものがある。
これらも適宜記号で記し、語形成を辞書に明記する。
これらも適宜記号で記し、語形成を辞書に明記する。
語形成とそれ以下の説明の間には半角スペースを入れる。
語形成が2要素以上あれば/で併記する。
語形成が2要素以上あれば/で併記する。
<書式>
見出し語
派生(<)か借入(>)か新語(+)か+語形成(vならveldiyuなど) 言語名.語源となった語(意味など補足) 年号or時代.造語者(略可).文献名(略可):理由と補足
派生(<)か借入(>)か新語(+)か+語形成(vならveldiyuなど) 言語名.語源となった語(意味など補足) 年号or時代.造語者(略可).文献名(略可):理由と補足
<試案>
faal
<l f.paparula 19.sorn
「19年にソーンがフィルヴェーユのパパルラをリムレットしてできたもの」
paparulaが現在どうなったのかはpaparulaの項を引く。
<l f.paparula 19.sorn
「19年にソーンがフィルヴェーユのパパルラをリムレットしてできたもの」
paparulaが現在どうなったのかはpaparulaの項を引く。
廃語マークが付いていればfaalに継承されて死滅したことになる。
廃語の場合はどの単語に追いやられたかを書く。
廃語の場合はどの単語に追いやられたかを書く。
paparula
faal <<
faal <<
もし二行目が
<<
だけだったら、その概念自体が何にも受け継がれずになくなっていることを示す。
絶滅した動植物の名などにありえる。
<<
だけだったら、その概念自体が何にも受け継がれずになくなっていることを示す。
絶滅した動植物の名などにありえる。
faat
<a/l a.fukats(mas e flen) 14
「14年にアルバレンのfukatsをアンクットしてリムレットしたもの。fukatsの意味は「許可の紙」」
<a/l a.fukats(mas e flen) 14
「14年にアルバレンのfukatsをアンクットしてリムレットしたもの。fukatsの意味は「許可の紙」」
fado
<a f.faidol 13
<a f.faidol 13
nil
<l a.niluu 19 <v f.nahyu(na kaen sor) sm +ark f.na/f.hyu fl
「19年にアルバレンのniluuをリムレットしたもの。niluuはセルメル時代にフィルヴェーユ語のnahyuをヴェルディーユしてできた。nahyuの意味は高い心。nahyuはフィアル時代に造語されたもので、naとhyuの複合語である」
<l a.niluu 19 <v f.nahyu(na kaen sor) sm +ark f.na/f.hyu fl
「19年にアルバレンのniluuをリムレットしたもの。niluuはセルメル時代にフィルヴェーユ語のnahyuをヴェルディーユしてできた。nahyuの意味は高い心。nahyuはフィアル時代に造語されたもので、naとhyuの複合語である」
aben
新語で、+l a.alben=benben rd.r:ridia sinat aben
新語ということはalbenやbenbenがそれ以前に使われた単語でなく、abenの材料となっただけのものだと分かる。
新語で、+l a.alben=benben rd.r:ridia sinat aben
新語ということはalbenやbenbenがそれ以前に使われた単語でなく、abenの材料となっただけのものだと分かる。
aft
<l a.afutas 15 > sorn.afutas(en vins) rd.r
「リディアがアルディアでソーンのafutasを借入。
sorn.afutasの意味は「拾わない」だが、左記a.afutasに括弧書きで(en vins)とないので、左記a.afutasの意味は見出し語aftと同じ。
すなわちリディアが借入た時点で意味は「拾わない」でなく「浮気」になっている。
その「浮気」という意味のa.afutasを15年にセレン(無標)がリムレットしてaftにした」
<l a.afutas 15 > sorn.afutas(en vins) rd.r
「リディアがアルディアでソーンのafutasを借入。
sorn.afutasの意味は「拾わない」だが、左記a.afutasに括弧書きで(en vins)とないので、左記a.afutasの意味は見出し語aftと同じ。
すなわちリディアが借入た時点で意味は「拾わない」でなく「浮気」になっている。
その「浮気」という意味のa.afutasを15年にセレン(無標)がリムレットしてaftにした」
ar
<k a.ragna sr
「制アルカの時代にセレン(無標)がカルミーユして作った」
<k a.ragna sr
「制アルカの時代にセレン(無標)がカルミーユして作った」
arfa
借入で、>a ks.artfu(arfa t'art) az
「アズゲル時代にカルセール語artfuを借入し、借入した際にアンクレットしたもの」
つまりカルセール語ではartfuと呼んでいたことになる。
借入で、>a ks.artfu(arfa t'art) az
「アズゲル時代にカルセール語artfuを借入し、借入した際にアンクレットしたもの」
つまりカルセール語ではartfuと呼んでいたことになる。
avon
新語で、+a f.avont(a=en/vont) fl
「フィアル時代にavontのアンクレットでできた。aは「〜でない」の意」
新語で、+a f.avont(a=en/vont) fl
「フィアル時代にavontのアンクレットでできた。aは「〜でない」の意」
axlei
新語で、+a sorn.axleist(lei axn) rd.km
「アルディアでクミールがアルカ・エ・ソーンのaxleist(正統な本)からアンクレットしたもの」
借入の>がないので借入ではない。クミールがソーンの単語を用いて造語しただけ。
つまり元となった言語にはaxleistという語はない。artfuの場合と比較。
借入の>がなければ元の言語にはその語形がなく、材料を借りてきただけとなる。
なお、日記という単語自体はほかにもアルバレンなどにあるだろうが、それは語源ではなく類義語などシソーラスの範囲。
アルバレンでの日記に相当するものは類義語欄で明記。語法欄でaxleiとの比較を行う。
新語で、+a sorn.axleist(lei axn) rd.km
「アルディアでクミールがアルカ・エ・ソーンのaxleist(正統な本)からアンクレットしたもの」
借入の>がないので借入ではない。クミールがソーンの単語を用いて造語しただけ。
つまり元となった言語にはaxleistという語はない。artfuの場合と比較。
借入の>がなければ元の言語にはその語形がなく、材料を借りてきただけとなる。
なお、日記という単語自体はほかにもアルバレンなどにあるだろうが、それは語源ではなく類義語などシソーラスの範囲。
アルバレンでの日記に相当するものは類義語欄で明記。語法欄でaxleiとの比較を行う。
恐らく右端は常に+で終わるのが良いのだろう。
そこまで行けば最古まで遡ったことになる。
nilの項のようにすべてしたほうがいいだろう。
そこまで行けば最古まで遡ったことになる。
nilの項のようにすべてしたほうがいいだろう。