ermes
/ [軍事][ジョブ]騎士、軽装騎士、ナイト、騎兵、軽騎兵
[類義語]pav
19:ridia:al/nermes;anermes(脱落);ermes(脱落)。「ネルメス神のような」。このalは被修飾語のペアを作る接頭辞。
[文化]
馬に乗って剣や槍で戦う。セルメルで竜兵が廃れ、一躍人気となった。ほかのジョブは〜anで、兵科は〜vantisなのに、騎士だけは単純語扱い。
ほかの語はジョブと兵科の違いがあるが、騎士は国家に忠誠を尽くすものとされたため、個人の騎士が基本的にはおらず、そのためジョブとしての騎士という単語は必要なく、ジョブと兵科が等しい。それゆえ、騎士は封建制の象徴とも言われる。

<歴史>

地球で最初に騎兵を編成したのはアッシリアであるが、アトラスでは高速で空を飛ぶことができたため、わざわざ馬を飼ってまで移動する必要がなかった。
最初に動物が戦争に登場したのはyuuma 146年にハクシウス軍が飛竜兵を指揮してギルケートに侵攻したときのことである。
また、最初に動物が兵科として登場したのはシフェランの竜騎兵で、yuuma 3612年にバルマーユ人の中から竜族を飼いならした竜騎兵を編成すしたときのことである。
馬は空を飛べないのでアドバンテージがなく、最初に編成されたのは地球より遥かに遅いカコである。竜騎兵の弱点は、数が少ないことと、集団戦法が苦手なことと、対空砲に弱いことである。馬のほうが大量生産でき、混戦にも強い。騎兵を編成して槍を持たせて突っ込めば、絶大な破壊力を得られる。しかし竜騎兵にはこれができない。竜はタカが獲物を狩るように、一度地上に降りてまた空に舞い上がるという動作をするため、馬の大群のようにどっと走り抜けることができず、敵陣を崩しづらい。
そこで魔力がアズゲルやメルテナより弱まったカコになってようやく騎兵が評価され、兵科となった。セルメルではむしろ人気の兵科となる。

belg
/ [地学]青銅、からかね、ブロンズ
古:gはgi(金属)
[文化]
meltia 9にギリウスが銅鉱石の中から発見した。青銅は銅と錫の合金だが、銅鉱石の多くは錫を含むため、比較的発見は速やかであった。青銅はその後ギリウスによって意図的に取り出されるようになった。
青銅は銅に比べて硬い。また、研磨や鋳造・圧延などの加工ができた。地球では武器や壷などに使われたが、青銅はユノの伝導率が悪かったため、剣や斧には加工されなかった。その一方で、壷や装飾品には用いられた。
よってアトラスの青銅器時代は内容が限られる。地球では中東、現在のアフガニスタンに錫の生産地があり、流通を維持するために各国は小競り合いをしながらも大々的な征服は行わず、ある程度安定した勢力関係を保っていた。しかしアトラスではその需要がないため、事情が異なっていた。
神を通じてユーマの一族にも青銅が伝わったが、やはり装飾品として用いられた。錫の産地は銅よりも限られるため、銅より高価なものとなった。神の実在するアトラスでは取り立てて祭祀用に使われることもなかった。

fohac
/ [言語]表音文字
20
[文化]
アトラスで最初に作られた文字は表意文字であり、これが現在まで使われ続けている。表音文字は表意文字よりも後に作られた。
最初の表音文字はアズゲルでハーディアン人が作った。アトラスにはランスロット理論があり、エーステに基づいた語形やハーメルに基づいた文字が維持された。しかしハーディアン人は先天的にヴィルが少なくユノが多い特殊な人種であったため、晄基配列の複雑なヴィードであるヴィルを中心に据えた言語体系を持たなかった。ユノは晄基配列が一定で、ヴィルのように変化がない。そこで呪文のような複雑な体系を必要とせず、ランスロットの影響も受けなかった。そこで彼らはいち早く地球と同じような言語の変化を生んだ。
彼らはアクオリアを経由してアンシャルに渡った複数の部族からなった。現フィギットに暮らす部族と現ロロスに暮らす部族と現アルティアで暮らす部族に大別された。緯度の差が激しいため、気候や風土はかなり異なっており、それぞれ異なった建築や服飾などの文化を生んだ。
自然言語的変化を行う上、離れて暮らしていたため、彼らの言語は次第に食い違っていくようになった。しかしながら彼らは互いに海産物や装飾品などの交易をしていたため、ピジンが発生した。時代が進むにつれ交易の規模が拡大し、部族間の付き合いが増し、部族間の婚姻も増えていった。それにつれて次第に言語がピジン的にまとまっていった。その結果、標準語と言われるピジン様言語ができ、数ある彼らの言語(というか方言)の中の標準語となっていった。それが現在のアルティア語に繋がるものである。
自然言語でこのような経緯でできた言語に比較的見られる傾向だが、その標準語は単純な構造を好んだ。特にこの言語に特徴的なのは、音の面での単純さであった。標準ハーディアン語はフィルヴェーユ語と比べて音素が少なめで、音節構造も単純であった。
音節構造は子音連続や閉音節がなくなり、単純なCV音節が主流になっていった。また、音素数も少ない。これにより、この言語全体が持つ音節数が小さな数に限られるようになった。
yuuma 593にラピシア貿易で力をつけたシレジアがシージア国内を統一すると、ラピシア貿易の規模は拡大した。カルセールとシージアの間にハーディアンは位置するが、その貿易の行路には現ロロスがあった。そこは貿易品が扱われる都市として発達し、ラピシア貿易の拡大とともに経済力がつき、ロロスを中心とした治世が行われた。
その結果、ロロス宮廷では安定した社会の中で華やかな文化が開き、国風文化が花開く。そこでできたのが表意幻字を崩した音節文字で、ハーディアン語を記すのに使われた。これが世界最古の表音文字であり、音節数の少ないハーディアン語だからこそできたものである。
yuuma 1892年にマレティスがハーディアンを支配すると、征服者はしばしロロスに駐屯した。しかしやがてハーディアン自治政府に権限が戻ると、徐々にハーディアン人は現アルティアとロロスに住み、征服者はロロス及び現フィギットに住むようになっていった。表音文字は征服者を通じて本土ジージアに伝来した。しかしそれがシージア語に影響を与えることはなかった。
セルメルでアルティアがルティア西部を征服すると、表音文字は一気にルティア語に入り込むようになった。ルティア人はオノマトペなど音節構造の単純な単語や、読みのわからない単語の補助的なルビとしてこの文字を使用した。しかしルビとしては音節文字の数がルティア語から見れば少なすぎるため、あくまで補助的なものにすぎなかった。
同じセルメルではルティアと貿易のあったアルバザードにこの文字が入り込み、アルバザードでも同じような使われ方をされるようになった。
アルディアになるとセレン少年はこの表音文字を元に、文字で音を示す方法を知り、これをヒントにアルカの表音幻字を作った。アルバレンは音節構造が複雑なので、CVで1文字にするのは不都合で、セレン少年は母音と子音に分け、音素ごとに1文字を充てる方法を取った。