・中ルティア語(sllt)
玲方語や名詞の性など、ルティア語らしさが確立した時代。
語順など文法の大雑把な面はsltと変わらない。
語順など文法の大雑把な面はsltと変わらない。
・文字
セルメルでハーディアンから表音文字が入り、オノマトペなどの表記に用いられる。
・音韻
ハーディアン人が持ち込んだ結果、hが復活する。
この時代の外来語はhがあるが、'orettなど、以前消失したものは消えたままである。
つまりhを見ればsllt以降の語だと分かる。
この時代の外来語はhがあるが、'orettなど、以前消失したものは消えたままである。
つまりhを見ればsllt以降の語だと分かる。
・格
与格も格を持つようになる。
与格ilが膠着して(i)lになる。
filial(少女に)、lizrol(家に)、falanil(貴方に)
主格と音が似るケースがあるので注意。
与格ilが膠着して(i)lになる。
filial(少女に)、lizrol(家に)、falanil(貴方に)
主格と音が似るケースがあるので注意。
主格:母音調和した母音+r:falan→falanar(ファラナール。貴方が)
対格:(s)aj:'orettaj(オレッタージュ。リンゴを)
与格:(i)l
対格:(s)aj:'orettaj(オレッタージュ。リンゴを)
与格:(i)l
・鼻母音と二重母音
宮廷を中心に玲方語(上方ルティア語)ができる。
特徴は鼻母音で、anがフランス語のanのように発音される。
特徴は鼻母音で、anがフランス語のanのように発音される。
また、二重母音が独特の長母音に変化した。
合字のoeのような音である。
合字のoeのような音である。
玲方語は雅な言語として人気があり、門閥やインテリの証でもあった。
庶民は鼻母音や特殊な母音を持たずにこのまま進んでいく。
庶民は鼻母音や特殊な母音を持たずにこのまま進んでいく。
・名詞の数
zg末期ごろから複数のseがsとして膠着し、複数形を指すようになった。
無声音にはsで、有声音にはzが付く。lapならlaps、labならlabz。
無声音と有声音の対立のない子音の場合はsが付く。lanならlans。ただしその後に有声音が来ると濁る。lanzar。
開音節にはzが付く。laならlaz。
無声音にはsで、有声音にはzが付く。lapならlaps、labならlabz。
無声音と有声音の対立のない子音の場合はsが付く。lanならlans。ただしその後に有声音が来ると濁る。lanzar。
開音節にはzが付く。laならlaz。
この後、tu keno(これの)がtunになり、tunが「ひとつの」を指すように意味が変わり、単数形が生まれる。
それから「〜というもの」という名詞の概念そのものを指す接尾辞として-(l)ettが生まれる。
'orettett(リンゴというもの)
それから「〜というもの」という名詞の概念そのものを指す接尾辞として-(l)ettが生まれる。
'orettett(リンゴというもの)
・名詞の性
メルテナとカコで戦火を避け、セルメルで神人貿易権を得たため、セルメル初期でルティアは全盛を極めた。
リーゼ姫の時代に最盛となった。
リーゼ姫の時代に最盛となった。
リーゼ姫のころには宮廷で詩歌の対照技法が流行した。
対照技法というのは二文一対の中で太陽や月といったペアとなる単語を織り交ぜる技法のことで、ルティアではリーゼ姫によって発明された。
例えばABという2つの文があるとする。このうちAで太陽を使い、Bで月を使い、対照させるという具合である。
対照技法というのは二文一対の中で太陽や月といったペアとなる単語を織り交ぜる技法のことで、ルティアではリーゼ姫によって発明された。
例えばABという2つの文があるとする。このうちAで太陽を使い、Bで月を使い、対照させるという具合である。
なお、太陽と月のほかには男と女などがあり、この分類も彼女が行った。
彼女は男が含まれる名詞を男性名詞と呼び、女が含まれる名詞を女性名詞と呼び、それ以外の対照性のない名詞を中性名詞と呼んだ。
彼女は男が含まれる名詞を男性名詞と呼び、女が含まれる名詞を女性名詞と呼び、それ以外の対照性のない名詞を中性名詞と呼んだ。
ところでABに続くパラグラフでA'B'というのがあったとして、このA'B'の中で太陽と月がもう一度言及された場合、どうなるだろうか。
当然代名詞で受ける確率が高いわけだが、3人称の代名詞はluしかないため、太陽も月もluで受けることになる。
するとどちらがどちらを受けているのか分からなくなってしまう。
当然代名詞で受ける確率が高いわけだが、3人称の代名詞はluしかないため、太陽も月もluで受けることになる。
するとどちらがどちらを受けているのか分からなくなってしまう。
対照技法においてABはたいてい似た構文を取るため、A'B'でどちらもluを使うと、どちらがどちらか分からない恐れがある。
ABの次に必ずA'B'が来ればまだしも、B'A'という文の順序になるケースもあり、このような場合はさらに誤解を招きやすい。
ABの次に必ずA'B'が来ればまだしも、B'A'という文の順序になるケースもあり、このような場合はさらに誤解を招きやすい。
そこでリーゼはluをアプラウトさせた(=リムレットさせた)laを作り、luとlaで受けるようにした。
この案を思いついたときに書いていた二文一対の文ABが太陽と月をこの順序で含んでおり、リーゼは試験的に太陽をluで受け、月をlaで受けた。
それが宮中で評判となったため、リーゼは男性名詞をluで、女性名詞をlaで受けるようにした。
この案を思いついたときに書いていた二文一対の文ABが太陽と月をこの順序で含んでおり、リーゼは試験的に太陽をluで受け、月をlaで受けた。
それが宮中で評判となったため、リーゼは男性名詞をluで、女性名詞をlaで受けるようにした。
この時点では中性名詞はluで受けていたが、luは男性名詞を受けるものだという感覚が一般化すると、中性名詞はtuで受けられるようになった。
これがきっかけとなり、既出の名詞はtu, lu, laで義務的に受けられるようになり、定冠詞が生まれる。
これがきっかけとなり、既出の名詞はtu, lu, laで義務的に受けられるようになり、定冠詞が生まれる。
一方、このころ単数形は上記tunで表していたわけだが、定冠詞ができたことでtunと並行しながら不定冠詞が規則的に生まれる。
tun, lun, lanでそれぞれの性の不定冠詞である。
tun, lun, lanでそれぞれの性の不定冠詞である。
・指示詞
tuが冠詞になって消えたことで「これ」と「あれ」の対立が消え、Luが指示詞としての意味をなさなくなり、消滅。
しかし指示詞を使わないわけにはいかず、同時にtutuからtut、tuluからtuulが生まれ、「これ」と「あれ」の対立を作る。
いずれも前置。
しかし指示詞を使わないわけにはいかず、同時にtutuからtut、tuluからtuulが生まれ、「これ」と「あれ」の対立を作る。
いずれも前置。
これらは指示詞であって冠詞ではない。不定冠詞でも定冠詞でもなく、指示をするためだけにある。
フランス語のceはunでもuneでもleでもlaでもないが、あれに近いものを想像すればよい。
フランス語のceはunでもuneでもleでもlaでもないが、あれに近いものを想像すればよい。
・まとめ
男性定冠詞 lu
中性定冠詞 tu
女性定冠詞 la
中性定冠詞 tu
女性定冠詞 la
男性不定冠詞 lun
中性不定冠詞 tun
女性不定冠詞 lan
中性不定冠詞 tun
女性不定冠詞 lan
近称指示詞 tut
遠称指示詞 tuul
遠称指示詞 tuul