ゼロから自分で作文するのではなく、他人の書いたものをアレンジする勉強法。

世の中には色々な教材がある。色々なメソッドがある。
だが、借文はその中でも最もライティングに有効である。
教材会社の口車に乗せられてはいけない。
教材会社が何が流行らせようと企もうと、ライティングには借文が良い。

ネイティブも借文で母語を身に付ける。
幼児期が顕著であるが、その後も見られる。
例えば、思春期に入ったネイティブが自分で文章を書くとき、ほかの小説を参考にしたりするのがそれだ。

ライティングに付きまとう不安は、「私の文章は合ってるのだろうか」だ。
合っている保証をするのが書き写し。でも、書き写しじゃライティングの勉強効果は薄い。
かといってゼロから辞書首っ引きで作ると、ロクな文ができない。間違えて覚えてしまう危険性がある。
そこで間を取るのが借文である。

アルカの場合、読み物は音声よりずっとある。
従って、借文は非常にお奨めする。

特に私がこの記事を書こうと思ったのは、好例を見たからである。
Kakis氏が、2008/4/7に自身のブログで「man tyu en lfis fal, non ren fit fan a tyu yul vort seer nonno? xen fan seles tuan?」と書いた。
恐らくこれは『ソノヒノキ』の姫の決め台詞となる"ol tyu en lfis fal, son non fit fan a tyu yul vort seer"を借文したものと思われる。

私はこれを読んで、正直「おぉ……」と思った。かなり複雑なユンク文なのに、きちんと書けているからだ。
ゼロからだと、これはできない。氏は効率的な学習をしていると言えそうである。

なお、借文では、アレンジした部分に間違いを探せば事足りる。添削が容易なのも特長である。
例えば上記の例では、non ren fitかnon fit fanが自然である。命令と意思が混ざるのは妙だからだ。日本語で言うなら「しようせよ?」みたいな感じになるわけで、そう考えれば得心がいくはずである。
ちなみに、manについては、milでもmanでもどちらでもよい。語気の問題である。