名詞と代名詞



名詞に数・性はありません。数がない点でエスペラントと異なります。
定冠詞や不定冠詞もありません。
格によって曲用もしません。

名詞に格表示がなくても困らない以上、代名詞も格を持つ必要はありません。
したがって主格・対格による格変化は不要です。

人称は1,2,3までとします。
2人称は親しい相手とそれ以外の2つに分かれます。
3人称は男女で区別します。

私:mi
君:do(ドイツ語duからだが、yuと最小対語にしたくないのでアプラウト)
貴方:yu
彼:ha
彼女:xe

彼はheから、彼女はsheから。
人称代名詞は5個なので母音をそれぞれずらしたかった。それでheはha、sheはxeになっている。

指示代名詞は「これ」と「あれ」の2対体系です。
this,thatから取ると互いに音が似てしまうので困ります。
ドイツ語の定冠詞dieser,jener(この、あの)からだとdi,yeになりますが、人称代名詞と似てしまうのでアウト。
フランス語のvoici,voila(アクサン省略)が「ここ」「あそこ」で、これらは音が好都合。安易すぎかな……。

これ:si
あれ:la

これで代名詞の主格と対格は揃いました。え、複数がない?そうですね。
複数は接尾辞の-(e)sを付けます。開音節(母音止め)にはsだけ、閉音節(子音止め)にはesを付けます。

私たち:mis 君たち:dos 貴方達:yus 彼ら:has 彼女ら:xes
これら:sis あれら:las

勿論、名詞にも使えます。犬はdogで、複数形はdoges。家はhaus(<house)で、複数形はhauses。
でも英語と違って常に数が単数か複数か表示する必要はありません。
two girlsのような場合、複数と分かっているので、two girlのような感じになります。複数形にはしません。

さて、ではmy,mine,myselfはどうしましょう。
所有は-(i)nで表します(独:mein,dein,seinなどから)
但し、-(i)nは代名詞に付けるのではなく、名詞のほうに付けます。

-(i)nは名詞に付き、その名詞が被修飾語であることを示すマーカーです。
-(i)nは後ろが形容詞の場合は付きません。これはまた形容詞のところでやります。

serixは後置修飾です。したがって、「名詞-(i)n+代名詞」の語順になります。
例:kytin mi(私の猫)*kyt(cat)

このように、serixに所有格はありません。
-(i)nという接尾辞は「誰々の」という意味が根源にあるのでなく、「~に属する」とか「~の性質の」という意味を持ちます。

語順が英語と逆なので注意してくださいね。my bookはserixではbook myの語順になるので注意が要ります。
例:my book=bukin mi *buk=本

因みにちょこっとアルカと絡めると、この時点で『紫苑の書』と『玲音の書』が訳せました。
『紫苑の書』=bukin xion 『玲音の書』=bukin lein
"Lain's Book"や"The Book of Lain"と比べると、随分オリジナルになってきましたね。

ところで、-(i)nが「~の性質の」を表すなら、それを応用して「これ」「あれ」を「この」「あの」という形容詞に変えられます。
例:bukin si(この本)

尚、mineはenin miと言います。ではeninとは何でしょう。
これは名詞のenに接尾辞のinが付いたものです。
enはentityから来ていて、漠然と「物や存在」を指します。
「私のもの」的な発想です。

一方、myselfなど、再帰形は自分という意味の名詞selfを付けた合成語で表します。
私自身:miself 君自身:doself 貴方自身:yuself 彼自身:haself 彼女自身:xeself レイン自身:leinself

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