時制(テンス)の種類


テンスは過去、現在、未来、通時、無時制の5種。

動詞単体では無時制になる。無時制は「時制に意識を払わない」という意味で、通常は話者の喋っている時間にあたる。つまり、現在形にあたることが多い。

通時は時間に関係なく一定であるという意味。私は男だという場合、一生通して男なので通時である。
ただし、一生通して男なのは言わなくても分かるので、一々通時を使わず、実際には無時制を使うことが多い。

通時は副詞lut を動詞の後に置くことで表す。
an lab lut(私はいつも働く)
日本語にするときは「常に」「いつも」などをつけて訳すとよい。

現在は副詞tur で表す。
たいてい話者が喋るのは現在についてなので、通時同様省略され、無時制になることが多い。
現在の副詞を使うときは現在だとしっかり言いたいときなので、日本語にするときは「今」をつけるとよい。
an ke tur(今行くよ)。

過去は副詞でなく動詞語尾at をつけて表す。
過去は無標な時制ではないので無時制には回せない。かといって未来よりは遥かに頻度が高い。
そこで副詞でなく、より早く言い表せる動詞語尾を取る。
an fit miik(私はリンゴを与える)→an fitat miik(私はリンゴを与えた)

なお、開音節で終わる動詞にはat でなくt がつく。いらぬ母音の連続を避けるためである。
an ku(私は言う)→an kut(私は言った)。

未来は副詞silをつける。
an ke sil(私は行くだろう)

過去のses

過去形はatのほかにsesでもよい。
sesは副詞で、sikやturと同じ使い方をする。
an ke ses(私は行った)

ちなみに、日常的にatでなくsesを使うのは、アルカだと軍隊用語の位相になる。
その場合は、日本語にしたときは「自分は〜であります!」調で訳すのが自然だろう。

ところで、sesが最も出るのは文末純詞としてである。
過去の副詞としてはそれほど用いない。
では文末純詞のsesとは何か。

例えば日本語では「彼に昨日初めて会ったが、彼は目が青かった」という。
だが、よく考えれば「目が青かった」というのは不自然である。その人は生涯に渡って目が青いからである。
「青かった」というのは、話者が体験した時間が過去であるというのに過ぎず、彼の目が青いことが過去なわけではない。
そしてこの違いを表現するのがsesである。

「彼は目が青い」はla til ins soretである。
la tilat ins soretにすると、前は青かったが今は違うという意味になる。
これはカラコンを着けていたケースを除いて不自然である。

自然に言う場合、la til ins soret sesである。
ここにsesが出てきている。
sesは「laがtilすること」にかかる過去ではなく、この文を喋っている「私」から見た過去である。