・メティオ語史概略

ml85senごろ、シージア人がサヴィアに入る。このときはまだfv。
ml90senごろ、シージア人が分派し、北部のシェリー人と南部のプレディス人に分かれる。
北部のシェリー人はzg末期でルティア人とリーゼル人に分かれる。
分派後、南部で魔法陣が発達しはじめ、魔法陣に合わせて言語が変化しはじめる。北部は変化を免れる。

現ミディートまで南下したプレディス人は、ml90senごろ、ベルトから譲り受けた光の文字を書く魔法xanteを応用し、文字の中に魔力を封じ込める魔法avelarを開発した。
この文字は魔力が消えるまで消失せず、空気中でも地上でも残り続ける。
そして文字が持つ魔法の効果を微弱に発し続ける。
例えば火の字をアヴェラールで作っておくと、字が消えるまで火が出続けた。

しかしこの魔法は常に一字で利用できるものであり、組み合わせはできなかった。
呪文の中で使うことができなかったため、用途は限られた。

ml91senごろになると、ようやくこのアヴェラールと魔法を組み合せる技術が生まれる。
彼らはアヴェラールで呪文を作って魔法を発動させることに成功した。
この方式で発動した魔法は非常に強力であった。

その後、彼らはこの呪文を円形や星型などの特殊な幾何学模様の中に規則的に書き込むことで、さらに魔法の威力が向上することを発見した。
こうしてml92senごろに魔法陣azerができあがる。

・サルートとレディア国

ml93senごろになるとプレディス人の各部族を緩やかにまとめる指導者的な役割を持ったsaluutという人物が現れる。
以後もこの地位に就く人間はsaluutと呼ばれることとなる。

この時代はまだ狩猟採集生活が中心で、人口は少なく土地は広大だったため、戦争がまだ起きず、魔法陣は社会の発展に利用された。
プレディス人の温厚な性格と相まって、魔法陣は国を豊かにすることに使われた。

初代saluutは魔法陣の持つ強大な魔法力を少しずつ発動させることに成功した。
強大な威力を誇る火の魔法だが、魔物を倒すときに必要なくらいで、日常的にはそこまで強大な火力は不要であった。
そこで細々と魔力を魔法陣から取り出すことで、微弱な効果を長時間発生し続けることに成功した。
サルートは火や明かりを長時間発生させることで、狩猟採集の効率を上げ、発展を促した。

ml94senごろになると二代目サルートのilhanoiが魔法陣を改良した。
プレディス人は現ミディート中央からやや北西寄りのkalwan川流域に住み着き、農耕を開始。
さらに社会が発展する。社会が発達したことで、サルートを王とする国家rediaができた。

王の氏族は大臣を構成し、王府を作り上げた。
リュディアでできた王はdaizだが、プレディスでできた王はsaluutである。
王府は国民に緩やかな税を課し、凶作にあった者の救済に当てたり、保存食を作って凶作に備えたりといったことをしていた。
また、国民を統治し、緩やかながら法も作り、統制を執っていた。

・イルハノイ王のアルハノン

こうして栄えたレディアで、イルハノイ王の悩みは国民が魔法陣を満足に使えないことであった。
魔法陣は文字を使う。幻字を使う。幻字は表意文字で、数が多い。教育を施さねば国民には扱えない。
しかし当時は学校や塾といった概念も施設もない。国民は狩猟採集と農耕と牧畜で精一杯である。

だが襲い来る魔族に対抗するには魔法陣が必要であった。
人口が増えるにつてレディア国の面積が広がり、それに伴って辺境部では王府の影響力が低下する。
これは王府の庇護の力が低下するということと同義である。

そこで国民の自衛のため、アルハノイは複雑な表意文字からなる幻字を改良し、独自の文字体系alhanonを作り上げた。
アルハノイは国民が文字をなかなか扱えない理由を文字パターンの多さと複雑さにあると考えた。

そこで文字を意味を示す左部と、音を示す右部に分けて示すことにした。
左部に来る文字数はfvと比べて極めて少なく、有界である。

一方右部に来る文字は音素を表現しており、これは後にアルカを作るときにセレン青年が大きく影響を受けた。
右部は(C)V, (C)VV, (C)VCで構成される。これらが最もアルテ語族で一般的な音節構造であるため。
それ以外の音節は適宜これら3つに詰められた。

アルハノイの悩みはそれだけではなかった。
魔法陣は杖で書くのが一般的だが、筆と違って杖は非常に書きづらい。
従って直線と曲線で意味を区別する幻字で魔法陣を作ると、しばしば書き損じが生じてしまう。
特に戦闘時のように急いでいるときなどは顕著であった。

そこで彼はアルハノンにおいて直線と曲線を区別しないようにした。
基本は直線で構成されるが、これを丸文字のように丸めて書いても構わないということである。

さて、以上によると、例えばkempe.fv(星)はこのように表記される。


文字の読みはkemである。
そこでkempeはkemになっている。

この文字の功罪は以下のとおり。

●長所

  • 文字パターンが少なくなり、扱いやすくなる
  • 音節構造が単純
  • fvに比べて語形が短い
  • 直線と曲線の区別がないので、書き損じ誤解が少ない。魔法陣を書くときに便利

●短所

  • 字形が従来の幻字より長くなる
  • 魔法陣を書くのに時間がかかる

アルハノンはその学びやすさからすぐに広まった。

・語順

また、イルハノイは語順もSOVからVSOに変えた。
魔法陣は書くのに時間がかかるが、動詞があれば最低限発動する。例えば「燃えよ」「凍れ」など、中核的な意味を動詞が担うため。
そこで戦闘時に魔法陣が間に合わなくてもまったくの無駄にならないようにとの配慮で、語順をVSOにしたわけである。

これに伴い、語順はPR, NG, NA構造になった。
この変化は魔法文化的なものではなく、もちろん作者の適当なお遊びでもなく、きちんと言語学的なものである。
VSO語順ではこれらの構造を持つ割合は最も高く、次に多いPR, NG, AN構造の実に5倍ほどの頻度で出現する。

また、当時の口語はfvが変化したものであったが、口語の単語がアルハノンに合わせて変化していった。
通常、言語は口語に合わせて文語が変化するものだが、レディア人は火をおこすのにも魔法陣を使っていたため、文語が口語を変化させる要因となった。
口語はアルハノンの読みに合わせられるようになり、言文一致が起こった。ここは言語学でなく魔法文化による変遷である。

・レディアの終焉

ml95senごろになると国家が広くなりすぎ、地方豪族の台頭とともに中央集権的な支配がかげりだす。
その結果、プレディス人はリディア人、ハノイ人、ケヴェア人、ハーディアン人に分かれていく。

レディア国を受け継いだのがリディアで、南方の部族が分離してさらに南下し、ケヴェア人となる。
一方サヴィア西岸部に移り住んだのがハノイ人である。

同じくml95senごろにはシェリー人の一部が海を渡り、アクオリアを通ってハーディアンへ行き、ハーディアンを建国する。

・カルセール人

ml97senごろにはハノイ人の一部がハーディアンを通過してカルセールに入り、カルセールを建国する。
ここからml103senのcv開始まで6万年ほど住み続ける。
この間にカルセール人はシフェル系の異民族と小競り合いをし、彼らの魔法を覚えていく。

その一方で魔法陣は社会の安定に特化されていった。
彼らは魔法陣をさらに進化させた結界と呼ばれる巨大な魔法を作り上げた。

結界は魔法陣よりも遥かに大きい。大きいものになると建物や施設を取り囲むほどである。
これは魔法陣より威力は低いものの、安定した魔力を長期間に渡って供給する装置であり、灌漑装置や発魔装置として用いられた。
発魔装置では大量の魔力が生産され、銀糸と呼ばれる伝線を用いて家屋などに魔力が供給される。
各家庭ではこの魔力を利用して照明を付けたり料理用の火を起こしたりした。

・結界王

こうしてカルセール人は当時最盛を極め、シフェル人などを従えた。
しかしその王国にもかげりが見える。
カルセールの王は結界師の家系であった。王家は自分たちの地位を確保するため、結界師の養成を行わなかった。

後のmtの召喚士王などと異なり、結界師の王は戦闘力があるわけではない。
生活に便利な結界を国民に提供することのできる内政上手な王でしかない。
そのため、あまり強力な軍を持ちすぎると、造反されてしまう。戦闘が苦手な王家なので、造反されれば終わりである。

となれば当然「自分たちがいなければ困る」環境を作り、王家の地位を守ろうとする。
そこで王家は結界を一子相伝とし、国民に教育を施さなかった。
また、造反を招かないためにも、魔導師を重用せず、戦士を軍隊において重用した。

この政策は周辺部族が弱いうちは功を奏したが、時間とともに国力の差が埋まることとなり、自壊を招いた。
srのころにはロゼッタが侵入しだし、カルセールは崩壊し始める。
その上cvになるとカルセールにサールが入植し、アルデスが王を名乗ってヴェマに首都を置く。

カルセール王はサールに地位を譲り、カルセール人は急激に弱小民族となった。
このときシフェル系と明らかに異なるマレット系の言語が神々に通じず、神々は翻訳の神エステルを生む。
だが、翻訳の手間がかかり、意思疎通が面倒なため、サルトはシフェル系の民を重用した。

その結果相対的に追いやられたマレット系カルセール人はcv中ごろに南方へ移り、ml103senごろにメディアンへ入った。
この際移民たちにとって結界師は定住時代より有用ではなく、結界師の権限は地に落ち、サール式の魔導師たちが台頭する。
この結果、マレット系カルセール人は魔法陣も結界も失い、シフェル式の魔法を使うようになった。
しかし文字を捨てて新たに別の文字を覚える必要性はなかったため、魔法陣を使わなくなった後もアルハノンを使った。

神々の技術や戦闘のノウハウを盗んだマレット系カルセール人はメディアンに攻め入り、ml103sen後半には支配権を獲得。
こうしてラヴァスでは既にメディアンの主権はシフェル系でなくマレット系が持っていた。

やがてメディアンがメティオになると、彼らは境方や魔方で暮らすようになった。
メティオ語はそのうち、境方メティオの言葉である。

・魔法陣から秘術へ

戻って、ml98senごろにはシェリー人との領土争いから小競り合いが起き、戦闘に不向きな魔法陣がリディア人とハノイ人の間で改良された。
杖を使って魔法陣を書くと時間がかかり、戦闘に向かない。
そこで文字の読みを読むとその声が自動的に文字になって魔法陣を書いてくれる魔法xivlenが開発され、秘術dixenが開発される。
このdixenは後にsltに入ってdixentとなり、さらにsltを通じてlsに入り、arに継承される。

魔法陣はケヴェア人が使い続け、交流のあったファベル人にml96senごろ伝わる。
こうして魔法陣はケヴェアとファベルにのみ残ったが、文字としてのアルハノンは生き続け、遠く離れたメティオでも用いられる。
アルハノンはルティアにも入った。

・結界師とメディアン語

ml103sen後半で魔導師がメディアンの王位に就いた。
結界師は都市の内政を担当する専門職として生き続けたが、それゆえ一般の国民は結界や魔法陣を使うことはなく、シフェル式の魔法を習得していた。

魔法陣が衰退したことでアルハノンに固執する必要がなくなり、言語の変化が始まる。
かといって既にある便利な文字を捨てる要因にはならなかったため、アルハノンは継続して使われた。

周辺諸国の単語を取り入れ、それをアルハノンに訳した。
外来語が入ったことで語彙の面でケヴェアなどのプレディス語と意思疎通ができなくなる。
この時点の言語をメディアン語という。

・メティオ語

yuuma 3619にメティオができてからはメティオ語となる。
mtになると召喚士が王に就くなどの政変があったものの、アルハノンは民族のアイデンティティと根ざしていたため、使われ続けた。
その後kkではドゥルガやヴィーネに占領されるも、アルハノンは継続して使われ、ルティアと異なり幻字は常に訳されて流入した。
むしろ言語学的にはこのように相手の文字を自分の文字に置き換えるほうが自然である。
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