・これまでのおさらい

制のアスペクトは、時相詞によって5相+無相の6種があった。
また、単位動詞と累積動詞、行為動詞と状態動詞という類別が4種あった。

反復相はなかった。累積で表現できたためである。
セレンが反復をアスペクトでなく動詞の類別に分けた理由はただひとつ。
アスペクトとは行為の段階のことと簡単に定義したかったため、反復を切ったためである。

新生は5相+無相を維持する。
5相は将前(〜しそうだ)、開始(〜しはじめる)、経過(〜している)、完了(〜しおわる)、影響(〜してある)である。

順に名称はsat, kit, pask, took, iltである。

完了と影響と経過は頻度が高いので、接尾辞で表現される。
あとは副詞で表現される。
順にsat, kit, -(a)r, -(i)k, -(e)sである。

・線と点

5相は線的なアスペクトと点的なアスペクトに分かれる。
開始と完了のみが「時点」として捉えられ、点となる。これは次のように図示される。

――○――○――
将 開 経 完 影

・虚と実

また、5相は行為を実際に行っている実の段階と、行為を実際に行っていない虚の段階に分けられる。
例えば「行きそうだ」とか「開いてある」というのは行為をその瞬間において実行している段階ではない。
そこで、将前と影響は虚となる。図示するとこうなる。

――○――○――
将 開 経 完 影
虚 実 実 実 虚

虚実を分けたのは理由がある。無相の説明のためだ。
無相は実の部分をひとまとめに表す相である。

miks(歌う)で考える。
声を出し始めたらmiks kit、歌の途中はmiksar、最後のノートが終わったところがmiksikである。
それらの動作すべてをまとめたものが、無相のmiksである。最も頻度が高い相なので、無標である。

miksarは「開始した後であり、確かに実行中であるが、まだ終わっていない」ことを言いたいときに使う。それ以外はmiksでいい。
経過相を使うかどうか迷った場合、開始でも完了でもないということを強調したいならarを付け、そうでないならarを付けない。

消えた累積動詞