制では行為と状態は分けられた。
後期までは影響相=状態にしていたが、影響相は相のひとつであるから、あくまで行為の一環であるとして、晩期では影響相と状態動詞を分けた。
そして状態動詞にも5相+無相を与えた。
つまり、行為動詞に5相+無相あり、状態動詞にも5相+無相があるという状況である。

新生になり、アスペクトがあやふやになったが、夢織3話が終わった段階できちんと決める必要性を感じた。
アシェットの読者が2話のアスペクトで誤読をしたためである。

新生では、行為動詞をすべての動詞のベースとする。
つまりすべての動詞はたとえ繋辞であろうと、原則として行為動詞である。
では状態動詞はどうなるか。
行為動詞の影響相という線のアスペクトがある。これが状態動詞の経過相に等しい。
また、行為動詞の完了相が状態動詞の開始相に等しい。

制のときは影響相と状態動詞は別物だと捉えた。
だが、影響相は虚であるから、厳密には「行為」ではない。そこで、「状態」と等価になれる。
制では「影響相も行為の一環だから、影響相は状態動詞ではない」とした。
だが、影響相は虚であって行為ではないため、状態とみなしてよい、というのが新生の考え方だ。

将前と影響