4コマ目(ふぇーる)




この金髪のおだんご頭は「子供っぽいふぇーる」よ。テーベというローブを着ているわ。
みーふぁと同じくアルナ人なんだけど、ちょっと変わった女の子なの。自分は神話の時代の生まれ変わりだと思っているのよ。
背がちっちゃいのが悩みで、なにかとピントの外れた言動が多い子よ。
トラブルメーカーだけど、だからこそ一番面白いキャラかもしれないわ。


いやいやw 顔、自重w
今にも猫を獲って喰いそうだわw
文字のデザインもそれっぽく変えてあるのね。細かいわ。

出番がこんなんじゃかわいそうだから、ほかのページから別のを持ってきてあげるね。


☆転写
feel: momon ca adel fala 85 sete! ren is axek lana non atm tyu a...


えと、まずmomonって何かな。
は……?[魔物]……?なにこれ。



すっかり忘れてるかもしれないけど、アルバザードは異世界です(-_-; しかも剣と魔法のファンタジー。
私の生きてる時代にはもういないけど、かつては100匹のモンスターがいたのです。
八十五天っていうのは、モモンが85番目のモンスターだってことだよ。
モモンは魔物にしては珍しく、人間に害をなさないの。ペット扱いだったみたい。

あぁ、ももん、ほしいなぁ。
ウチにも来ないかにゃ〜。


モ○グリですね、わかります。


こ……このもぐりめ(違

caっていうのは強調の形容詞って書いてあるけど、英語のtheみたいなものかな。
momon ca adelで「モモン・ザ・モンスター☆」みたいな感じかしら?



そう、同格だね。","記号は「ツンク」っていうんだけど、これはあってもなくてもいいよ。
fala 85っていうのは上でも出てきたけど、85番目の魔族という意味。falaは番号を表す格詞だよ。


それに念押しのseteが来て、全体としては"momon ca adel fala 85 sete!"で「第八十五天の魔族モモンだな!」という意味になるようね。
はぁ、つまり「ふぇーる」は猫のことを魔物と思い込んでるのか。
確かに、色々ぶっ飛んだ神話志向の子ね(-ω-;



次は"ren is axek lana non atm tyu a..."ね。
renは命令・依頼・禁止でやったreの女性形かぁ。へぇ、命令の仕方も性別によって異なるんだ?
isは死生動詞・おわりにでやった死動詞「〜をやめる」だね。


動詞isの目的語がaxek(変身)になってるね。
日本語だと「変身を解く」だから、「解く」という動詞との組み合わせを覚えないといけないけど、アルカではisで大丈夫だよ。


もう目的語はaxekだって分かってるから、この後さらに名詞は続かないね。
lanaには名詞と格詞の用法があるみたいだけど、lanaは格詞で決定だね。すると、「〜するために」か。
nonは私で、tyuはあなた――猫のことね。
atmは……「売る」か。え、猫売っちゃうの?


みたいだね(-_-;
haizen(バチがあたるよ)


最後のaというのはなんだろう……。
え、えぇえ、aって4つも意味があるの!?



文末に来る場合は、a(4)がほとんどよ。語気を整えるだけで、特に意味はないわ。
ちなみに、他人に言うときはeとしたほうが丁寧になるよ。
だけど、ここでは例外的に格詞「〜に」の用法です。「〜に売る」っていう意味なの。

え……でも、aの後に何も来てないよ?売る相手がいないじゃない。


この文は...で終わってるよね。これは台詞が途中で終わってることを意味してるの。
誰に売ろうとしてるのかは分からないけど、本来はここに売る相手が来るはずだったのね。
日本語でも台詞の途中で「(略」とか「(ry」とか書くことがあるよね、あまり一般的ではないけど。


あぁ、「(略」のことね。それで格詞のaだけ残ってるのか。
じゃあまとめると、"ren is axek lana non atm tyu a..."は「私があなたを売るために、変身を解きなさい!」ってことか。
ふぇーるは猫を魔物が変身したものだと思い込んでるようね。困った子だわ(;´∀`)
ところで、左上の3つの女子トイレみたいな絵は何?


え?……あぁ、これはデフォルメされた「しあ」と「みーふぁ」と「ゆーれ」だよ。
ふぇーるの言動を見てドン引きしてるのね。
最後の文字はアリスといって、不安や恐れなどを表すの。alisと転写するよ。
ここではみんな汗をかいてるから、訳すときは(汗)がいいかも。

☆転写
dil la rakar, netal(alis


dilは「邪魔をする」という動詞みたいだけど、いきなり動詞が来るの?
アルカは「主語+動詞+目的語」じゃなかったっけ?


命令文では主語を省略できるんだったよね。


あ、そうか。そういえば前にやったね。
dil laで「彼女を邪魔しろ」……つまり、「彼女を止めろ」という意味かな。
あれ、でもrakarは「狂信者」という名詞のようね。laとrakarで名詞が連続しているよ。ヘンじゃない?



うん、これはちょっと難しいから、順を追って話すね。
代名詞は正確には代詞というの。どうして代詞というんだと思う?


えぇと……。分かりやすさを考えれば、本来は代名詞と命名するはずだよね。
わざわざ「名」を抜くからには、名詞以外の使い方もあるってことじゃない?
例えば、代……動詞とか、代……形容詞とか。わかんないけど。


さすが紫苑!そうなの。形容詞や動詞としても使えるから、代名詞じゃなくて代詞と読んでいるのよ。
辞書をよく見ると、「彼」のほかにも「あの」と書いてあるね。
日本語だと「あの」は連体詞だけど、アルカだと形容詞――正確には指示詞になります。
la rakarは「彼、狂信者」ではなく、「あの狂信者」という意味です。


なるほどね!
「前置」と書いてあるとおり、形容詞laは名詞の前に置くのね。
ふつうアルカの形容詞は名詞の後ろに来るから、laは特殊なんだね。


この使い方はtu(これ), le(あれ), lu(この)にも言えるの。
tu miikで「このリンゴ」、le galtで「あの門」、lu fianで「この女の子」になるよ。
生きてるものにはluやlaを使ってね。


ねぇ、ここではla rakarになってるけど、どうしてlaなの?
luじゃダメなの?


lu rakarでも文法的には正しいよ。
でもここではlaのほうがいいの。どうしてだろうね。
紫苑、luとlaの違いはなんだっけ?


えっと……確か距離だよね。luが近くて、laが遠い。


その距離っていうのは、心理的な距離も指すの。
みんなここでは「ふぇーる」に対して「ドン引き」してるよね?
引いた分、心理的な距離が遠ざかっているから、それがla rakarという表現に現れてるのよ。


なるほどぉ!よく分かりました。
えと、最後のnetalは「誰であろうと」という意味みたいね。「誰でもいいから」とか「誰かしら」という意味かな。
ってことは、"dil la rakar, netal(alis"は「誰かあの狂信者を止めろ(汗」になるのね。
ねぇ、どうして狂信者って単語が出てきたの?


私の時代には魔物がもういないからね。
猫が魔族モモンだって疑うのは、よっぽど神話に心酔しきった人なのよ。


あは、そういうことね☆
ようやくオチの意味が分かったよ。
それにしても、たった1つの4コマで、かなりのことが学べるんだねぇ。驚いたよ。


言語はもちろん、文化背景まで分かるようになるからね。
紫苑もマンガを読み始めたころに比べたら、ずいぶん辞書を引くのが早くなったね。


うんうん。
それに、non(私)とかsete(確認)とか、何度も出てきたから自然と覚えちゃったよ。
最低限の文法が分かってれば、あとは辞書でなんとかなるもんだね!


さて、今回の練習で、画面の前のみなさんも、幻日辞典の使い方が身に付いたと思います。
紫苑と私が読み進めていったやり方で読んでいけば、どんな文でも読めるようになると思いますので、ぜひ辞書を活用していってくださいね☆ミ


これでレインの授業は本当におしまいね、ありがとう!
読者のみなさんも、おつかれさまでした。
いつかまた『紫苑の書』の本編でお会いしましょう!


長い間付き合っていただき、ありがとうございました!
紫苑も、おつかれさま。紅茶いれてあげるから、パソコン消して待っててね。


わーい♪
目次ガールも、ありがとね。

「うん!」
「最後まで到達した人はここに記念にお名前を残していってね。あなたは何人目かな?日付は自動で入るよ♪」