2コマ目(ゆーれ)




この黒髪の女の子は「大人しいゆーれ」だよ。
アルバザードから遠く離れたルティアという国からやってきた転校生。
ルティア人は大人しく頭が良いと言われているけど、ゆーれは特に天才児なのよね。
でも、けっこうおっちょこちょいなところもあって、しあにからかわれてるわ。ふぇーると仲が良いみたい。


あぁ、確かに大人しそうな顔してるね。
心なしか私に似てない? ほら、口元に手を当てる清楚な感じとか。


うん、大人しさと清楚さを引けばよく似てるね。


……。
さて、転写するか。

☆転写
yuule: haan, palue xan. mil ket siina xidia pot palue sete?


1コマ目で出てきた単語がいくつか出てきてるね。


そうね、おかげで前より簡単に読めそうよ。
haanは感動詞で、「なるほど」か。
xanは……ん?
これはどっちだろう……。



これはxan(2)のほうだよ。
女の子の口調でxaというと、xanになるってことだね。
xaを出してあげる。



文末に来てるから[文末純詞]でしょうね。とすると、「気付きを示す」の用法か。
気付きって日本語の「あ、そうだ。今日はイロモネアの日だった」の「タ」みたいなやつかな。
あるいは、「あぁ、あそこに見えるのは富士山か」の「か」とか。
てことは、"haan, palue xan."は「なるほど、ひだまりか」ってことね。
はいはい、1コマ目で「しあ」が付けた名前を「ゆーれ」が理解したってことね。


ねぇ、ところでxaの動詞用法なんだけど、「solはyul(場所)にいる」ってどういう意味?


solは主語で、yulは目的語を意味するの。括弧して場所って書いてあるから、目的語は場所を指す語が入るのよ。
例えば主語が紫苑で目的語が学校(felka)だとしたら、「紫苑は学校にいる」は"xion xa felka"になるの。


なるほど。動詞の場合、どんな主語や目的語と一緒に使われるかが書いてあるのね。


動詞がどんな格と組み合わせを作るかというのを格組(かっくみ)というのよ。
xaの格組は「sol(人), yul(場所)」になるわ。
格組は動詞によって異なるの。例えばlatの格組は「sol(人), yul(物), a(場所)」だよ。




solについては書いてないけど、自明だからかな。
入れる人は主語に来るに決まってるから、わざわざ「solはyulをaに入れる」と書かないんだね。
一方、入れられるほうは「物」なのか「収納先」なのか迷うかもしれないので、「yulをaに入れる」と書いてあるんだね。
こう書いてあれば「物」がyulに来るんだろうなって分かるから。


そうだね。
latには「入れる」のほかに「仕舞う」という語義もあるけど、ここには格組が書いてないね。
書いてない場合は、特に難しく考えず日本語と同じで良いってことだよ。


そうなんだ?
この場合、「〜を(yul)〜に(a)仕舞う」という風に、日本語から考えれば格組が分かるってことね。


そうそう。
次は"mil ket siina xidia pot palue sete?"だね。
milはちょっと説明がいるかな。辞書を見ると「弱原因」ってあるよね。
becauseはmanだって理論編でやったけど、milもbecauseになります。


manとmilは何が違うの?


manのほうが原因と結果の距離が近いの。milのほうが原因としてしっかりしてないってこと。
でも実際は単に口調の違いよ。女の子はmanと思っていても自信なさげにmilと言うのが習慣なの。


え、アルバザードって男尊女卑なの?


一気に飛躍したね(^-^;
そうではないけど、男の人を立てる人は多いね。服装も言動も控えめだし。その代わり、男の人に守ってもらうの。
アルバザードの男の人は女の子のために車を運転したり機械を直したりしなくちゃだから、立てられるのも何かと大変みたいよ。


男性も大変ね。
ねぇ、ちょっと脱線。あのさ、アルバザードってどんな男の人がモテるの?


え……どうかな。日本ではどうなの?


こっちは……まぁなんだかんだ言ってお金と見た目が強ぅございますね。地位はお金に入るとして。


そうなんだ?アルバザードだと性格だよ。文化的にお金はマイナスのイメージがあるからね。もちろん見た目は良いほうがモテるけど。
正義感のある人が一番だよ。正々堂々として悪に屈さず、親切でまっすぐな男の人。しかも知的だと最高。
adiiyuって辞書で引いてみて。あと、distiiyuも。


国によって価値観って異なるのねぇ。
善人がモテるシステムだと、自動的に善人が増えるよね。正直者が損をしないのは良いね。
さて本題。milはbecauseだったね。お題は"mil ket siina xidia pot palue sete?"。
ketは猫で、主語。siinaは……好むという動詞か。
xidiaは夢なのね。じゃあ、「猫は夢が好き」ってこと?


実はsiinaもxidiaも動詞なのです。
ゆーれは女の子なので、xidiaを「寝る」という意味の動詞として使うのよ。「寝る」はmokね。


つまり、「猫は寝るのが好き」という意味か。
英語の"like 〜ing"とか"love to〜"みたいな感じだね。次はpotか。



potは「中」って意味だけど、格詞で「〜の中に」という意味があるのね。格詞は英語だと前置詞だから、inにあたるのかな。
pot palueで、「ぱるえの中で」か……。んん?「ぱるえ」って猫の名前だよね。「ぱるえはぱるえの中で寝るのが好き」なの!?


そうじゃなくてね。pot palueのpalueは「ひだまり」という一般名詞よ。
名前のpalueと、ひだまりのpalueが一緒なの。
ほら、日本語でも「さくらちゃん」って女の子がいるでしょう?


あぁなるほど、そういうことか。
"mil ket siina xidia pot palue sete?"の訳は「猫はひだまりの中で寝るのが好きだからね?」か。
はいはい。しあが1コマ目で猫にpalueと名付けたのを受けて、ゆーれは名前の由来をしあに確認してるのね。
つまり、「しあちゃん、猫がひだまりで寝るのを好きなのを知ってて、この子にぱるえって名付けたんでしょう?」って言いたいのね。


よくできました(^-^)
これでマンガも折り返し地点だね。atte!(がんばって!)