ねぇお父さん、エスペラントって人工言語の代表じゃないの?


知名度から考えれば、代表ではあるだろう。だが始点ではない。
ビンゲンのヒルデガルトは12世紀に既に人工言語を作っていたし、17世紀には国際的に人工言語ブームが起こっていた。
エスペラントはブームが収束したころに作られた、むしろ当時としては後発の言語だったのだ。


お父さんの前にはヴォラピュクという人工言語が流行っていたころもあったのよ。
逆に、エスペラントの後にはエスペラントを改良したイドやインテルリングアといった言語も出てきたけど。


17世紀当時はラテン語に代わる国際語(正確にはこの時点で求められていた言語は普遍言語と呼ばれる)の需要があったのよ。
でもフランス語が台頭してしまったから、人工言語ブーム自体がおじゃんになってしまったの。
その後フランス語から英語に国際語が移って、今に至るというわけ。


エスペラントは国際語ブームが去ったころにできたの??


1866年にパリ言語学会が普遍言語に関する論文を受理しないことにしたの。
これで完全にアカデミックの世界では熱が冷めてしまったのよ。
一方、エスペラントができたのは1887年でしょ?


それで未だに言語学では人工言語を研究対象として扱わないのよ。
人工言語はアカデミックから分離されてしまったから、平和思想など、思想に基づいた運動になってしまったの。


もっとも、その状態でもエスペラントはここまで勢力を伸ばしたのだから、それだけ共感する人が多かったということですね。
今は英語が完全に支配的だから必然的にエスペラントも下火になってしまい、人工言語界全体が元気のない状態になっています。
作者さんたちは非常に残念がっているようで、だからこそこういうサイトを作っているみたいですね。


失礼だが、作者さんというのは何のことかね?

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